OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第56回 作業療法士国家試験 午前 第13問

作業療法評価学第56回午前

第56回 作業療法士国家試験 午前 第13問(作業療法評価学)の正答は 2 です。本症例は認知症(物忘れ)に加えて、嫉妬妄想(夫の浮気を疑う)と物を投げるなどの行動・心理症状(BPSD)を呈している。

問題
76歳の女性。物忘れのために日常生活で失敗が目立った。最近、夫の浮気を疑うようになり、顔を合わせると興奮し物を投げるなどの行為がみられる。息子が誤りであることをいくら説明しても納得しない。この患者の精神症状を評価する尺度として適切なのはどれか。
  1. 1. HRS-D
  2. 2. NPI
  3. 3. POMS
  4. 4. SANS
  5. 5. SDS

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — NPI

本症例は認知症(物忘れ)に加えて、嫉妬妄想(夫の浮気を疑う)と物を投げるなどの行動・心理症状(BPSD)を呈している。NPIはBPSDを包括的に評価する代表的な尺度であり、このような症例の精神症状評価に最適である。


【各選択肢の解説】

1. HRS-D(Hamilton Rating Scale for Depression)
❌ 誤り。うつ病の重症度評価尺度。本症例の嫉妬妄想・興奮・物投げといったBPSD評価には不適。
2. NPI(Neuropsychiatric Inventory)
✅ 正しい。認知症患者のBPSD(妄想・幻覚・興奮・抑うつ・不安・多幸・無感情・脱抑制・易刺激性・異常行動など12領域)を評価する。介護者へのインタビュー形式。
3. POMS(Profile of Mood States)
❌ 誤り。情動・気分状態の評価尺度であり、主に健常者や軽症者に使用。認知症のBPSD評価には不向き。
4. SANS(Scale for the Assessment of Negative Symptoms)
❌ 誤り。統合失調症の陰性症状を評価する尺度。認知症患者には使用しない。
5. SDS(Self-rating Depression Scale)
❌ 誤り。抑うつの自己評価尺度。自己記入式のため、認知機能が低下した本症例には適用困難。

【試験対策ポイント】

認知症のBPSD評価=NPI。NPIは介護者(家族)へのインタビューで実施する点が重要。自己記入式(SDS・POMS等)は認知機能低下例には原則使用できない。SANS・SANSはいずれも統合失調症用の評価尺度として区別して覚える。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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