第56回 作業療法士国家試験 午前 第36問
リハビリテーション医学第56回午前
腕神経叢損傷について正しいのはどれか。
1. 上腕骨骨頭の下方偏位が出現する。
2. 分娩麻痺は腕神経叢損傷ではない。
3. 上位型は前腕の回外が可能である。
4. 下位型の麻痺では手指の運動障害はない。
5. 近位引き抜き損傷では交感神経機能障害がある。
- 1. 上腕骨骨頭の下方偏位が出現する。 ✓
- 2. 分娩麻痺は腕神経叢損傷ではない。
- 3. 上位型は前腕の回外が可能である。
- 4. 下位型の麻痺では手指の運動障害はない。
- 5. 近位引き抜き損傷では交感神経機能障害がある。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 上腢骨骨頭の下方偏位が出現する。
腕神経叢損傷では上位型(Erb麻痺)の場合、肩関節の外転・外旋筋(棘上筋、棘下筋、三角筋など)が麻痺するため、上腕骨骨頭が重力で下方へ偏位します。これは典型的な臨床徴候です。
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【各選択肢の解説】
1. 上腢骨骨頭の下方偏位が出現する。
✅ 正しい。上位型損傷で肩関節外転・外旋筋の麻痺により、重力で骨頭が下方に脱臼します。
2. 分娩麻痺は腕神経叢損傷ではない。
❌ 誤り。分娩麻痺は新生児の腕神経叢牽引損傷の代表的原因で、明らかに腕神経叢損傷です。
3. 上位型は前腕の回外が可能である。
❌ 誤り。上位型(C5,C6)では回外筋(後骨間神経支配の回外筋を含む)が障害され、回外困難となります。
4. 下位型の麻痺では手指の運動障害はない。
❌ 誤り。下位型(Klumpke麻痺:C8,T1)では内在筋が麻痺し、手指の細かい運動が障害されます。
5. 近位引き抜き損傷では交感神経機能障害がある。
❌ 誤り。神経根の引き抜き損傷では脊髄神経節が損傷されますが、交感神経障害より感覚障害の欠落が特徴です。
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【試験対策ポイント】
• 上位型(Erb麻痺):C5,C6損傷→肩外転・外旋筋麻痺→骨頭下方偏位
• 下位型(Klumpke麻痺):C8,T1損傷→内在筋麻痺→手指運動障害・Horner症候群
• 分娩麻痺は腕神経叢牽引損傷の代表例