第56回 作業療法士国家試験 午後 第13問
作業療法評価学第56回午後
58歳の男性。両手の母指と示指で紙をつまみ、左右に引っ張ったときの写真(別冊No.3)を別に示す。考えられる末梢神経障害はどれか。
1. 右Guyon管症候群
2. 右後骨間神経麻痺
3. 左前骨間神経麻痺
4. 右手根管症候群
5. 左肘部管症候群
- 1. 右Guyon管症候群
- 2. 右後骨間神経麻痺
- 3. 左前骨間神経麻痺
- 4. 右手根管症候群
- 5. 左肘部管症候群 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 左肘部管症候群
肘部管症候群により左尺骨神経が障害されると、内在筋(特に骨間筋)の萎縮・麻痺が生じます。これにより示指と中指の開排運動が障害され、紙をつまんだ際に左手の示指が外転位(開いた状態)になることが特徴的です。
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【各選択肢の解説】
1. 右Guyon管症候群
❌ 誤り。Guyon管症候群は尺骨神経浅枝の障害であり、小指球筋が障害されるため、小指の外転・対立運動が低下します。示指のつまみ動作には大きく影響しません。
2. 右後骨間神経麻痺
❌ 誤り。後骨間神経は回内筋や長・短橈側手根伸筋など伸筋を支配するため、手指伸展障害が主症状となり、つまみ動作の異常とは一致しません。
3. 左前骨間神経麻痺
❌ 誤り。前骨間神経は長母指屈筋と前骨間筋の一部を支配しますが、これにより母指の屈曲障害が生じるため、つまみ動作そのものが困難になります。写真では「つまめるが異常な形態」を示唆しています。
4. 右手根管症របん
❌ 誤り。手根管症候群は正中神経の圧迫であり、母指から環指の感覚障害と母指球筋の萎縮が主症状です。骨間筋障害による指の開排異常は起こりません。
5. 左肘部管症候群
✅ 正しい。肘部管症候群により尺骨神経が圧迫・障害されると、手内在筋(特に骨間筋)が萎縮・麻痺します。このため示指と中指の開排運動が障害され、紙をつまんだ状態で左手の示指が外転位になります。これは「Wartenberg兆候」に相当する典型的な所見です。
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【試験対策ポイント】
• 肘部管症候群:尺骨神経障害 → 骨間筋麻痺 → 指の開排異常(Wartenberg兆候)
• つまみ動作での指の形態異常は、内在筋麻痺を示唆する重要な所見
• 手根管症候群は母指球筋、Guyon管症候群は小指球筋が障害される点との鑑別が重要