第56回 作業療法士国家試験 午後 第18問
作業療法評価学第56回午後
23歳の男性。中学生の頃から対人緊張が強く、人前での食事で発汗や赤面、緊張が強まることがあった。大学進学後も実習の発表時に緊張が強く、動悸や発汗を苦にしていた。卒業後に病院で作業療法士として働いていたが、通勤中のバスに停留所から同僚が数人乗り込んでくると、動悸、振戦、発汗が生じるようになった。車内に知り合いがいなければ不安や自律神経症状を生じることはない。考えられるのはどれか。
1. 解離性障害
2. 強迫性障害
3. パニック障害
4. 社交(社会)不安障害
5. PTSD〈外傷後ストレス障害〉
- 1. 解離性障害
- 2. 強迫性障害
- 3. パニック障害
- 4. 社交(社会)不安障害 ✓
- 5. PTSD〈外傷後ストレス障害〉
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 社交(社会)不安障害
本症例は中学時代からの対人緊張が始まり、人前での食事や発表、そして同僚がいるバス内という社会的場面で動悸・発汗・赤面などの不安症状が誘発される特徴から、社交不安障害が最も適切です。知り合いがいなければ症状が生じない点が、社会的評価への恐怖という本疾患の本質を示しています。
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【各選択肢の解説】
1. 解離性障害
❌ 誤り。解離性障害は記憶喪失や人格交代などの解離症状が中心であり、本症例の不安や自律神経症状とは異なります。
2. 強迫性障害
❌ 誤り。強迫性障害は強迫観念と強迫行為を特徴とします。本症例には反復的な行為や観念がなく、合致しません。
3. パニック障害
❌ 誤り。パニック障害は予測不可能に突然発作が生じることが特徴です。本症例は社会的場面という特定の状況で症状が誘発される点が異なります。
4. 社交(社会)不安障害
✅ 正しい。対人場面での過度な不安、赤面・発汗・動悸などの自律神経症状、長期間の経過が全て該当します。社会的評価への恐怖が中心的特徴です。
5. PTSD〈外傷後ストレス障害〉
❌ 誤り。PTSDは明確な外傷的出来事の後に発症し、フラッシュバックや悪夢などの再体験症状が特徴です。本症例に該当する外傷イベントがありません。
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【試験対策ポイント】
- 社交不安障害:対人場面での過度な不安と自律神経症状、評価への恐怖が核心
- パニック障害との鑑別:予測可能な特定状況 vs. 予測不可能な突然発作
- 長期経過(中学時代から)と段階的な悪化がパターン化している点に注目