OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第56回 作業療法士国家試験 午後 第19問

人間発達学第56回午後

第56回 作業療法士国家試験 午後 第19問(人間発達学)の正答は 5 です。幼児期からの多動・衝動性(席を立つ・順番を守れない)と不注意(忘れ物・うっかりミス・雑音で注意がそれる)から、注意欠如・多動症(ADHD)が考えられる。

問題
8歳の男児。幼児期より落ち着きがなくじっとしていられず、家族で外出した際にはよく迷子になり、両親も養育に困難を感じていた。小学校に入学してからは、授業中に勝手に席を立って歩き出したり、順番を守ることも難しく、日常的に忘れ物や落とし物も多く、うっかりミスをして教師に注意されるが、その後も同じミスを繰り返していた。授業中は周囲の雑音に注意を削がれて勉強に集中できず、最近では学業不振が目立ち始めたため放課後等デイサービスで作業療法士が対応することになった。作業療法士の対応として適切でないのはどれか。
  1. 1. 感覚統合療法を実施する。
  2. 2. ペアレントトレーニングを実施する。
  3. 3. 社会生活技能訓練〈SST〉を実施する。
  4. 4. 学校を訪問して授業の様子を観察する。
  5. 5. 担当教員に本人の行動修正をより促すよう依頼する。 ✓

正答:5番

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この問題の正答率(OTカコモン利用者の実データ)

初回正答率 26.1%参考値

23人の初回解答から算出(2026年10月21日時点)。母数が少ないため参考値です

同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、OTカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。

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解説
■ 正答:5番 — 担当教員に本人の行動修正をより促すよう依頼する。

幼児期からの多動・衝動性(席を立つ・順番を守れない)と不注意(忘れ物・うっかりミス・雑音で注意がそれる)から、注意欠如・多動症(ADHD)が考えられる。注意を受けても同じミスを繰り返すのは特性によるもので、叱責や行動修正の要求を強めても改善しにくく、自己評価の低下などの二次的な問題を招く。


【各選択肢の解説】

1. 感覚統合療法を実施する。
✅ 正しい。周囲の雑音に注意をそがれるなど、感覚情報の処理の偏りが行動に影響している。感覚統合療法で感覚の受け取りと調整を整えることは、作業療法士が行う支援の一つである。
2. ペアレントトレーニングを実施する。
✅ 正しい。両親が養育の難しさを感じている。子どもの特性の理解と、望ましい行動を具体的にほめる関わり方を保護者が学ぶことで、家庭での行動の改善と親の負担の軽減につながる。
3. 社会生活技能訓練〈SST〉を実施する。
✅ 正しい。順番を守る、指示を聞いてから動くといった対人場面の技能を、具体的な場面で練習して身につける支援で、集団生活での困難に対応できる。
4. 学校を訪問して授業の様子を観察する。
✅ 正しい。問題が起きている授業の場面を直接見ることで、座席の位置や雑音などの環境要因を把握でき、学校への具体的な環境調整の提案につなげられる。
5. 担当教員に本人の行動修正をより促すよう依頼する。
❌ 誤り(=正答)。ADHDの行動は特性によるもので、注意や修正の要求を強めても改善しにくく、叱られる経験が重なって自己評価が下がる。正しくは、刺激の少ない座席にする・指示を短く具体的にするなどの環境調整と、できたことを認める関わりを教員に提案する。

【試験対策ポイント】

  • ADHDの支援は「本人を変えさせる」より、環境を整え、できた行動を強めるのが軸
  • 本人(感覚統合・SST)、家族(ペアレントトレーニング)、学校(訪問・環境調整の提案)の3方向から支える
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✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

それでも誤りが残ることがあります。「おかしいな」と思ったらお問い合わせから気軽に教えてください。確認のうえ修正し、皆さんと一緒に解説を育てていきます。

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