OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第57回 作業療法士国家試験 午前 第8問

作業療法評価学第57回午前

第57回 作業療法士国家試験 午前 第8問(作業療法評価学)の正答は 3 です。この患者は言語性IQ 76(言語的処理に弱さあり)・動作性IQ 106(視覚・動作的能力は保たれる)・BADS 104点(遂行機能は正常)・RBMT 19点(記憶は正常範囲内)・FIM 120点(ほぼ自立)であり、言語処理の困難さが主な問題である。

問題
25歳の女性。交通事故による外傷性脳損傷(右前頭葉)。職場復帰を希望している。WAIS-Ⅲでは言語性IQが76、動作性IQが106、全検査IQが89。RBMTが19点、TMT-Aが81秒、TMT-Bが90秒、BADSが104点、FIMが120点。対人交流は良好である。2か月後の事務職への職場復帰を目的とした練習として適切なのはどれか。
  1. 1. 電話の受付
  2. 2. 企画書の作成
  3. 3. 書類の片付け
  4. 4. 会議の要約報告
  5. 5. 金銭の会計処理

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 書類の片付け

この患者は言語性IQ 76(言語的処理に弱さあり)・動作性IQ 106(視覚・動作的能力は保たれる)・BADS 104点(遂行機能は正常)・RBMT 19点(記憶は正常範囲内)・FIM 120点(ほぼ自立)であり、言語処理の困難さが主な問題である。書類の片付けは視覚的・動作的能力を主に使う課題であり、言語性IQへの依存度が低く、2か月後の復帰に向けた段階的練習として適切である。


【各選択肢の解説】

1. 電話の受付
❌ 不適切。言語的理解・記憶・記録など言語性能力を多く要求するため、言語性IQ 76の本患者には過負荷となる。
2. 企画書の作成
❌ 不適切。高度な言語的表現・論理構成が必要で言語性IQ 76では困難であり、現時点の練習として不適。
3. 書類の片付け
✅ 適切。整理・分類・視覚的処理が主体であり、動作性IQ 106の強みを活かせる。遂行機能や記憶も保たれており遂行可能。
4. 会議の要約報告
❌ 不適切。聴覚的言語処理・要約・口頭発表など言語性能力への高い要求があり不適。
5. 金銭の会計処理
❌ 不適切。数値処理・注意・正確性が求められ、言語性IQ低下を伴う本患者には誤りリスクが高い。

【試験対策ポイント】

  • WAIS-Ⅲのディスクレパンシー(VIQ 76 vs PIQ 106):差が大きいほど能力の偏りに注意
  • BADS・RBMT正常範囲 → 遂行機能・記憶は問題なし、言語的弱さが主障害
  • 職場復帰練習は「現在の能力で達成可能な課題→段階的に難易度を上げる」原則
  • 右前頭葉損傷は遂行機能・注意が主標的だが、本問はWAIS-IIIの数値読み取りがポイント

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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