OTカコモン — 作業療法士国家試験 過去問・解説

第57回 作業療法士国家試験 午前 第8問

作業療法評価学第57回午前
25歳の女性。交通事故による外傷性脳損傷(右前頭葉)。職場復帰を希望している。WAIS-Ⅲでは言語性IQが76、動作性IQが106、全検査IQが89。RBMTが19点、TMT-Aが81秒、TMT-Bが90秒、BADSが104点、FIMが120点。対人交流は良好である。2か月後の事務職への職場復帰を目的とした練習として適切なのはどれか。 1. 電話の受付 2. 企画書の作成 3. 書類の片付け 4. 会議の要約報告 5. 金銭の会計処理
  1. 1. 電話の受付
  2. 2. 企画書の作成
  3. 3. 書類の片付け ✓
  4. 4. 会議の要約報告
  5. 5. 金銭の会計処理

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 書類の片付け 本症例は右前頭葉損傷で言語性IQが低下していますが、動作性IQは良好で日常生活動作も自立しており、対人交流も良好です。実行機能障害を考慮しつつ、段階的に難易度の低い具体的作業から開始する必要があります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 電話の受付 ❌ 誤り。言語性IQ低下と右前頭葉損傷による注意配分障害があり、同時に複数の情報処理を要する電話対応は難しい。 2. 企画書の作成 ❌ 誤り。言語性IQ(76)の低下と実行機能障害により、複雑な論理構成・計画立案が必要な企画業務は時期尚早。 3. 書類の片付け ✅ 正しい。具体的な物理操作で、判断や複雑な認知を最小限に抑えた作業。動作性IQが保持されており、段階的復帰の入口として最適。 4. 会議の要約報告 ❌ 誤り。言語表現能力の低下と実行機能障害があり、情報の統合と言語化が必要な複雑な報告業務は困難。 5. 金銭の会計処理 ❌ 誤り。正確性と注意力が求められ、RBMTが低い(記憶障害あり)ため、会計処理の誤りリスクが高い。 --- 【試験対策ポイント】 • 言語性IQの低下は言語理解・言語表現の困難を示唆 • 右前頭葉損傷は実行機能・注意配分の障害と関連 • 職場復帰の段階的進行:具体的・単純作業→複雑な認知作業の順序
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