第57回 作業療法士国家試験 午前 第13問
臨床心理学第57回午前
22歳の女性。幼少期に両親と死別したが、祖父母の支援などで問題なく学校生活を過ごした。学業成績は良かったが、感情が不安定で自傷行為を繰り返し、精神科クリニックに通院しながら高校を卒業した。卒業後は事務職として就職したが、感情が不安定でしばしばトラブルを起こした。最近、些細なことで友人と喧嘩になり、激怒して大量服薬して入院となった。入院後、早期に作業療法が開始された。この患者にみられる特徴はどれか。
1. 完璧主義
2. 作為体験
3. 衝動行為
4. 脱力発作
5. 振戦せん妄
- 1. 完璧主義
- 2. 作為体験
- 3. 衝動行為 ✓
- 4. 脱力発作
- 5. 振戦せん妄
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 衝動行為
この患者は境界性パーソナリティ障害(BPD)の特徴を示しており、衝動性の制御困難が中核症状です。些細なきっかけで激怒し、自傷や大量服薬といった衝動的な自傷行為を繰り返す行動パターンが典型的です。
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【各選択肢の解説】
1. 完璧主義
❌ 誤り。完璧主義は強迫性パーソナリティ障害の特徴であり、この患者の臨床像とは合致しません。
2. 作為体験
❌ 誤り。作為体験(思考や行為が外部からコントロールされている感覚)は統合失調症の一次症状であり、本症例には認められません。
3. 衝動行為
✅ 正しい。感情的不安定性、自傷行為、大量服薬、友人との衝動的な喧嘩など、衝動的行動の制御困難が顕著に認められる境界性パーソナリティ障害の中核特徴です。
4. 脱力発作
❌ 誤り。脱力発作はナルコレプシーの特徴であり、この患者の精神症状とは無関係です。
5. 振戦せん妄
❌ 誤り。振戦せん妄はアルコール離脱症状であり、本症例には該当しません。
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【試験対策ポイント】
• 境界性パーソナリティ障害:感情不安定性・衝動行為・自傷行為・見捨てられ恐怖が特徴
• 作為体験・脱力発作・振戦せん妄は他疾患の特異的症状
• 幼少期の喪失体験と現在の不適応の時間的関連性も診断に有用