第57回 作業療法士国家試験 午前 第19問
人間発達学第57回午前
第57回 作業療法士国家試験 午前 第19問(人間発達学)の正答は 3 です。本事例はADHD(注意欠如・多動症)の典型例(多動・衝動性・不注意、協調運動障害、知的障害なし)。
問題
7歳の男児。幼児期から落ち着きがなく、一つのおもちゃで遊べないなどの行動があった。小学校入学後、長時間椅子に座れない、順番を待てない、注意散漫などの問題行動があり、外来作業療法を受けることになった。作業療法では、次第に活動に継続して取り組めるようになってきたが、協調動作が必要な作業は苦手である。知能検査では知的障害は認められなかった。作業療法を行う上での留意点として適切なのはどれか。
- 1. 複数の課題を同時に提示する。
- 2. 順番が守れない場合は厳しく注意する。
- 3. 周囲に受け入れられる行動は積極的に褒める。 ✓
- 4. 数週間継続して取り組める連続課題を実施する。
- 5. 作業台の上にいろいろな道具や材料を揃えておく。
正答:3番
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解説
■ 正答:3番 — 周囲に受け入れられる行動は積極的に褒める。
本事例はADHD(注意欠如・多動症)の典型例(多動・衝動性・不注意、協調運動障害、知的障害なし)。ADHDの作業療法では適切な行動を正の強化(ポジティブフィードバック)で定着させることが基本原則である。
【各選択肢の解説】
1. 複数の課題を同時に提示する。
❌ 不適切。ADHDでは注意の分割・切り替えが困難であり、複数課題の同時提示は混乱・失敗体験を増加させる。一度に一つの課題が原則。
❌ 不適切。ADHDでは注意の分割・切り替えが困難であり、複数課題の同時提示は混乱・失敗体験を増加させる。一度に一つの課題が原則。
2. 順番が守れない場合は厳しく注意する。
❌ 不適切。厳しい叱責はADHD児の自己評価をさらに低下させる。行動変容には正の強化のほうが有効。
❌ 不適切。厳しい叱責はADHD児の自己評価をさらに低下させる。行動変容には正の強化のほうが有効。
3. 周囲に受け入れられる行動は積極的に褒める。
✅ 適切。適切行動への即時・具体的な肯定的フィードバックは、ADHDにおける行動療法の基本原則。
✅ 適切。適切行動への即時・具体的な肯定的フィードバックは、ADHDにおける行動療法の基本原則。
4. 数週間継続して取り組める連続課題を実施する。
❌ 不適切。長期・連続課題は注意の持続困難なADHD児には不適。短時間・段階的な課題が適切。
❌ 不適切。長期・連続課題は注意の持続困難なADHD児には不適。短時間・段階的な課題が適切。
5. 作業台の上にいろいろな道具や材料を揃えておく。
❌ 不適切。過剰な刺激は注意散漫を悪化させる。必要な材料のみ提示し、環境を整理・シンプルにすることが重要。
❌ 不適切。過剰な刺激は注意散漫を悪化させる。必要な材料のみ提示し、環境を整理・シンプルにすることが重要。
【試験対策ポイント】
- ADHD作業療法の原則:①構造化された環境、②刺激の最小化、③短時間課題、④即時・具体的なポジティブフィードバック
- 協調運動障害(DCD)の合併に注意:ADHDと発達性協調運動症(DCD)は高率に併存
- 厳しい注意・罰は逆効果 → 「できたことを褒める」が最優先
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