第57回 作業療法士国家試験 午後 第4問
身体障害作業療法第57回午後
40歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。「手を腰の後ろに回してください」、「肘を曲げずに腕を前から水平位まで上げてください」の指示に左上肢はそれぞれ図のようになった。左上肢の状態として適切なのはどれか。
1. 基本的共同運動の最初の要素が出現している。
2. 痙縮の発現期である。
3. 痙縮が最も強い時期である。
4. 基本的共同運動から逸脱した運動が出現している。
5. 分離運動が自由に可能である。
- 1. 基本的共同運動の最初の要素が出現している。
- 2. 痙縮の発現期である。
- 3. 痙縮が最も強い時期である。
- 4. 基本的共同運動から逸脱した運動が出現している。 ✓
- 5. 分離運動が自由に可能である。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 基本的共同運動から逸脱した運動が出現している。
脳梗塞後の回復過程では、初期の痙性麻痺から段階的に運動機能が改善される。本症例は「手を腰の後ろに回す」「肘を伸ばしたまま腕を水平位まで上げる」という指示に対応できており、これは基本的共同運動パターンの束縛を超えた、より高度な分離運動が可能な段階を示している。
---
【各選択肢の解説】
1. 基本的共同運動の最初の要素が出現している。
❌ 誤り。初期段階では痙縮が強く、基本的共同運動パターンに制限された運動しかできない状態。本症例は既にそれを超えた段階を示している。
2. 痙縮の発現期である。
❌ 誤り。発症直後の弛緩性麻痺を経て痙縮が発現する時期であり、本症例の運動機能レベルとは異なる。
3. 痙縮が最も強い時期である。
❌ 誤り。痙縮のピークは発症後2〜4週間が目安であり、指示運動に応じられる本症例ではこの時期ではない。
4. 基本的共同運動から逸脱した運動が出現している。
✅ 正しい。Bruphauptモデルでは、基本的共同運動を超えた分離運動が出現すると、より機能的で複雑な運動パターンが可能になる段階を示している。
5. 分離運動が自由に可能である。
❌ 誤り。「逸脱した運動が出現」と「自由に可能」は異なる。出現段階であり、完全な自由度ではない。
---
【試験対策ポイント】
• 脳卒中回復過程:弛緩性麻痺→痙縮発現→痙縮ピーク(2〜4週)→改善段階
• 運動障害の段階:基本的共同運動→逸脱運動→分離運動→正常運動
• 指示に応じた複合運動が可能=回復中期以降の段階を示唆