OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第57回 作業療法士国家試験 午後 第17問

精神障害作業療法第57回午後

第57回 作業療法士国家試験 午後 第17問(精神障害作業療法)の正答は 2 です。うつ病の作業療法導入期では、患者自身が自発的・創造的に考えることが困難なため、手順が決まっており見通しがつきやすい構成的作業(折り紙、ビーズ細工など)が適切です。

問題
43歳の女性。うつ病。半年前に子供が1人暮らしを始めてから気分が落ち込み、布団で寝たままでいることが増えた。家事を夫が行うようになると、「夫に迷惑をかけている自分は生きている価値がない」と口にするようになり、夫に連れられ精神科クリニックを受診した。服薬治療が開始され、症状が改善してきたため外来作業療法が処方された。導入時の作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
  1. 1. スケジュール表に従った参加を促す。
  2. 2. 枠組みのある構成的作業を導入する。
  3. 3. 患者が作製した作品について賞賛する。
  4. 4. 意欲の低下が認められても作業遂行を促す。
  5. 5. 体調とともに気分も改善するため心配ないと励ます。

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — 枠組みのある構成的作業を導入する。

うつ病の作業療法導入期では、患者自身が自発的・創造的に考えることが困難なため、手順が決まっており見通しがつきやすい構成的作業(折り紙、ビーズ細工など)が適切です。成功体験を積み重ねることで自己効力感を回復させます。


【各選択肢の解説】

1. スケジュール表に従った参加を促す。
❌ 誤り。導入期に厳格なスケジュール管理を求めると患者への負担・プレッシャーになります。柔軟な参加が望ましいです。
2. 枠組みのある構成的作業を導入する。
✅ 正しい。決まった手順がある作業は思考・判断の負担を減らし、達成感を得やすく、うつ病の初期段階に適切です。
3. 患者が作製した作品について賞賛する。
❌ 誤り。過度な賞賛は患者に「期待に応えなければ」というプレッシャーを与えることがあります。共感的な受容が基本です。
4. 意欲の低下が認められても作業遂行を促す。
❌ 誤り。うつ病では無理な活動促進は症状悪化につながります。「焦らず、休みながら」が原則です。
5. 体調とともに気分も改善するため心配ないと励ます。
❌ 誤り。根拠のない励ましや保証は逆効果となることがあります。「頑張れ」という言葉はうつ病患者には特に禁忌的とされています。

【試験対策ポイント】

  • うつ病OTの基本方針:安心できる場の提供→構成的作業→自由度の高い作業と段階的に移行
  • 空の巣症候群(子供の独立後の抑うつ)も念頭に
  • 構成的作業:手順が明確で、材料・工程が定まっており、成果が見えやすい(例:ビーズ、折り紙、塗り絵)
  • うつ病に禁忌的な言葉:「がんばれ」「気の持ちよう」「なぜできないの」

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

それでも誤りが残ることがあります。「おかしいな」と思ったらお問い合わせから気軽に教えてください。確認のうえ修正し、皆さんと一緒に解説を育てていきます。

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