OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第57回 作業療法士国家試験 午後 第19問

精神障害作業療法第57回午後

第57回 作業療法士国家試験 午後 第19問(精神障害作業療法)の正答は 2 です。ADHDの不注意による仕事上の失敗が続いて自信を失い、欠勤から入院に至った直後である。

問題
22歳の男性。注意欠如・多動性障害。大学卒業後に営業職に就いた。顧客との約束や書類を忘れるなどの失敗が続き、上司が度々指導をしても改善しなかった。子供のころから不注意傾向があり、母親は「しつけをしてこなかった自分に非がある」という。その後も失敗が続いて自信を喪失し、1週前から欠勤し精神科の受診に至った。入院となり作業療法が処方された。この時期の作業療法士の対応として適切なのはどれか。
  1. 1. 仕事に適性がないと伝えて転職を勧める。
  2. 2. 休養に専念し職場復帰を焦らないように伝える。 ✓
  3. 3. 母親のしつけの失敗の影響が残っていると告げる。
  4. 4. 上司の指導方法が病気の誘因であることを説明する。
  5. 5. 職場復帰のために対人技能向上を目的とした作業活動を勧める。

正答:2番

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この問題の正答率(OTカコモン利用者の実データ)

初回正答率 81.3%参考値

16人の初回解答から算出(2026年10月21日時点)。母数が少ないため参考値です

同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、OTカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。

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解説
■ 正答:2番 — 休養に専念し職場復帰を焦らないように伝える。

ADHDの不注意による仕事上の失敗が続いて自信を失い、欠勤から入院に至った直後である。この時期は心身の疲弊と自己評価の低下が強いため、まず休養と安心を確保し、復職を焦らせないことが作業療法士の対応として適切である。


【各選択肢の解説】

1. 仕事に適性がないと伝えて転職を勧める。
❌ 誤り。入院直後に適性がないと告げると自己評価をさらに下げ、本人の決定の機会も奪う。正しくは、回復した後に、本人と一緒に特性と仕事内容の合い方を整理し、工夫や職場調整を含めて検討する。
2. 休養に専念し職場復帰を焦らないように伝える。(=正答)
✅ 正しい。失敗の繰り返しで疲れ切り、自信を失っている状態では、まず休むことが回復の前提になる。焦りを和らげることで、その後の自己理解や対処法の練習に取り組む余力が生まれる。
3. 母親のしつけの失敗の影響が残っていると告げる。
❌ 誤り。ADHDは生まれつきの脳機能の特性による神経発達症で、しつけが原因ではない。正しくは、本人と母親に特性について説明し、母親の自責感を和らげる。
4. 上司の指導方法が病気の誘因であることを説明する。
❌ 誤り。特定の人に原因を帰す説明は根拠がなく、職場への不信を強めて復帰を妨げる。正しくは、失敗は本人の特性と仕事の要求の組合せで起きたものとして整理し、職場での工夫や調整は回復後に検討する。
5. 職場復帰のために対人技能向上を目的とした作業活動を勧める。
❌ 誤り。入院直後に復職に向けた訓練を勧めるのは早く、焦りを強める。また本例の失敗は約束や書類の忘れ(不注意)で、対人技能が主な課題ではない。正しくは、回復期以降に、メモやスケジュール管理などの代償手段を身につける練習を行う。

【試験対策ポイント】

  • 精神科入院直後の作業療法:休養・安心・生活リズムの回復が先、技能訓練や復職準備は回復期以降
  • ADHDへの説明:しつけや本人の努力不足ではなく脳機能の特性であると伝える(心理教育)
  • ADHDの職業上の課題(忘れ物・期限の管理)には、メモ・アラーム・チェックリストなどの代償手段で対応する
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ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

それでも誤りが残ることがあります。「おかしいな」と思ったらお問い合わせから気軽に教えてください。確認のうえ修正し、皆さんと一緒に解説を育てていきます。

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