第57回 作業療法士国家試験 午後 第19問
精神障害作業療法第57回午後
22歳の男性。注意欠如・多動性障害。大学卒業後に営業職に就いた。顧客との約束や書類を忘れるなどの失敗が続き、上司が度々指導をしても改善しなかった。子供のころから不注意傾向があり、母親は「しつけをしてこなかった自分に非がある」という。その後も失敗が続いて自信を喪失し、1週前から欠勤し精神科の受診に至った。入院となり作業療法が処方された。この時期の作業療法士の対応として適切なのはどれか。
1. 仕事に適性がないと伝えて転職を勧める。
2. 休養に専念し職場復帰を焦らないように伝える。
3. 母親のしつけの失敗の影響が残っていると告げる。
4. 上司の指導方法が病気の誘因であることを説明する。
5. 職場復帰のために対人技能向上を目的とした作業活動を勧める。
- 1. 仕事に適性がないと伝えて転職を勧める。
- 2. 休養に専念し職場復帰を焦らないように伝える。 ✓
- 3. 母親のしつけの失敗の影響が残っていると告げる。
- 4. 上司の指導方法が病気の誘因であることを説明する。
- 5. 職場復帰のために対人技能向上を目的とした作業活動を勧める。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 休養に専念し職場復帰を焦らないように伝える。
入院直後の急性期であり、患者は自信喪失と精神的疲弊の状態にあるため、まずは十分な休養を取ることが重要です。焦った職場復帰は症状悪化につながるため、現段階では休養を優先すべき対応が適切です。
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【各選択肢の解説】
1. 仕事に適性がないと伝えて転職を勧める。
❌ 誤り。患者の自信喪失を助長し、さらなる精神的ダメージを与えてしまいます。ADHD自体は適職選択や環境調整で対応可能です。
2. 休養に専念し職場復帰を焦らないように伝える。
✅ 正しい。入院直後の急性期は心身の回復が最優先です。焦った復帰は症状の悪化や再発リスクを高めるため、患者と家族に安心感を提供する対応として適切です。
3. 母親のしつけの失敗の影響が残っていると告げる。
❌ 誤り。母親を責めることになり、家族関係の悪化と患者の罪悪感増加につながります。作業療法士は患者・家族をサポートする立場です。
4. 上司の指導方法が病気の誘因であることを説明する。
❌ 誤り。ADHD自体は先天的な発達障害であり、上司の指導が「誘因」ではありません。環境ストレスは増悪因子ですが、この説明は責任転嫁につながります。
5. 職場復帰のために対人技能向上を目的とした作業活動を勧める。
❌ 誤り。入院直後の現段階で職場復帰を目標とした活動を勧めるのは時期尚早です。焦った復帰は患者の不安を増加させます。
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【試験対策ポイント】
• 入院直後の急性期は「安定化・休養」が優先:焦った復帰支援は逆効果
• ADHD対応:ネガティブ評価ではなく「環境調整と対処技能」が重要
• 家族への責任転嫁や自信喪失をさらに深める対応は常に避ける