第57回 作業療法士国家試験 午後 第46問
老年期作業療法第57回午後
前頭側頭型認知症患者への作業療法士の対応として適切なのはどれか。
1. 活動の中で複雑な判断を本人に求めるようにする。
2. 口頭指示が理解できない場合は紙に書いて伝える。
3. 参加の拒否に対しては活動の内容を丁寧に説明する。
4. 常同行動に対しては別の行動に切り替えるように促す。
5. 食べることが止められない場合は食材を見えない場所に移動させる。
- 1. 活動の中で複雑な判断を本人に求めるようにする。
- 2. 口頭指示が理解できない場合は紙に書いて伝える。
- 3. 参加の拒否に対しては活動の内容を丁寧に説明する。
- 4. 常同行動に対しては別の行動に切り替えるように促す。
- 5. 食べることが止められない場合は食材を見えない場所に移動させる。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 食べることが止められない場合は食材を見えない場所に移動させる。
前頭側頭型認知症では前頭葉の障害により、衝動性の制御が困難になります。食行動異常(過食)に対しては、本人の意志で制御することを期待せず、環境調整によって行動を制限することが有効です。
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【各選択肢の解説】
1. 活動の中で複雑な判断を本人に求めるようにする。
❌ 誤り。前頭側頭型認知症では前頭葉機能の低下により、複雑な判断・推理能力が著しく障害されています。複雑な判断を求めると失敗経験となり、本人の混乱や不安が増加するため避けるべきです。
2. 口頭指示が理解できない場合は紙に書いて伝える。
❌ 誤り。前頭側頭型認知症の主障害は言語理解の困難さではなく、前頭葉機能障害です。失語がない場合、紙に書いても理解困難であり、具体的な視覚的示範や環境調整が有効です。
3. 参加の拒否に対しては活動の内容を丁寧に説明する。
❌ 誤り。前頭側頭型認知症では理性的な説得が奏功しません。拒否に対して無理に説得すると、本人の不安や抵抗が増強されるため、無理強いせず別の活動へ転換することが適切です。
4. 常同行動に対しては別の行動に切り替えるように促す。
❌ 誤り。常同行動は脳の障害による不随意的な行動であり、本人の努力では制御できません。促しても改善しないため、環境調整や活動の代替え(代替え行動の提供)による対応が必要です。
5. 食べることが止められない場合は食材を見えない場所に移動させる。
✅ 正しい。環境調整により、衝動的な行動を物理的に制限する対応です。本人の自制力に頼らず、刺激そのものを除去することで問題行動を予防できます。
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【試験対策ポイント】
• 前頭側頭型認知症=前頭葉機能障害→衝動性制御困難、複雑判断不可
• 環境調整・刺激除去が中心的対応(本人の努力や説得は無効)
• 食行動異常・常同行動には行動制限ではなく環境工夫が有効