OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第58回 作業療法士国家試験 午前 第3問

作業療法評価学第58回午前

第58回 作業療法士国家試験 午前 第3問(作業療法評価学)の正答は 2 です。右前頭葉背外側部の損傷により、自発性の低下・行動の開始困難・無為といった前頭葉機能(遂行機能)障害の症状を呈している。

問題
30歳の男性。右利き。交通事故による右前頭葉背外側部の頭部外傷で大学病院に入院。全身状態が安定したため、回復期リハビリテーション病院に転院となった。転院後もリハビリテーション治療が継続され、現在5か月が経過した。運動障害や感覚障害を認めず、歩行は自立している。しかし、日中はボーッとして過ごし、促されないと行動に移せない。会話は成立するが、自発性に乏しい。この患者の高次脳機能評価として最も適切なのはどれか。
  1. 1. CBS
  2. 2. BADS
  3. 3. SLTA
  4. 4. SPTA
  5. 5. VPTA

正答:2番

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解説
■ 正答:2番 — BADS

右前頭葉背外側部の損傷により、自発性の低下・行動の開始困難・無為といった前頭葉機能(遂行機能)障害の症状を呈している。BADSは遂行機能障害を日常生活に即した課題で評価するバッテリーであり、この症例に最も適した評価である。


【各選択肢の解説】

1. CBS(Catherine Bergego Scale)
❌ 誤り。CBSは半側空間無視の日常生活場面での影響を評価するスケールであり、前頭葉機能障害には適さない。
2. BADS(Behavioural Assessment of the Dysexecutive Syndrome)
✅ 正しい。遂行機能障害行動評価(BADS)は、規則変換カード検査・行為計画検査・鍵探し検査など6種の下位検査で構成され、前頭葉損傷による計画・判断・柔軟な行動切り替えの障害を評価する。
3. SLTA(標準失語症検査)
❌ 誤り。SLTAは失語症の評価ツールであり、本症例には会話が成立しており失語症の記載がないため不適切。
4. SPTA(標準高次動作性検査)
❌ 誤り。SPTAは失行症の評価ツールであり、本症例の主訴である自発性低下・無為には対応しない。
5. VPTA(視知覚・視空間認知障害標準検査)
❌ 誤り。VPTAは視知覚・視空間認知障害を評価するものであり、前頭葉の遂行機能障害の評価には用いない。

【試験対策ポイント】

前頭葉背外側部の損傷→遂行機能障害(計画・判断・行動の開始困難)→評価はBADS。各高次脳機能評価ツールの対応を整理:CBS=無視SLTA=失語SPTA=失行VPTA=視空間認知BADS=遂行機能。BADSの下位検査(鍵探し・動物園地図・修正6要素など)も頻出。

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ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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