OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第58回 作業療法士国家試験 午前 第8問

身体障害作業療法第58回午前

第58回 作業療法士国家試験 午前 第8問(身体障害作業療法)の正答は 3 です。C7残存の頸髄損傷は両手指の機能がある程度残存し(C7:手関節背屈・肘関節伸展・指伸展が可能)、核上型神経因性膀胱(痙性膀胱)では自排尿が困難なため、清潔間欠自己導尿(CIC)が第一選択となる。

問題
33歳の男性。交通事故で完全頸髄損傷(C7頸髄節まで機能残存)を受傷した。受傷後2か月が経過し、全身状態は良好でADLの拡大が図られている。排泄については核上型神経因性膀胱と診断され、自排尿が困難である。この患者の排尿管理として適切なのはどれか。
  1. 1. 圧迫排尿
  2. 2. 骨盤底筋訓練
  3. 3. 自己導尿
  4. 4. 尿道カテーテル留置
  5. 5. 膀胱瘻の造設

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 自己導尿

C7残存の頸髄損傷は両手指の機能がある程度残存し(C7:手関節背屈・肘関節伸展・指伸展が可能)、核上型神経因性膀胱(痙性膀胱)では自排尿が困難なため、清潔間欠自己導尿(CIC)が第一選択となる。


【各選択肢の解説】

1. 圧迫排尿(Credé法)
❌ 誤り。核上型神経因性膀胱では尿道括約筋が過活動状態にあるため、腹部圧迫による排尿は括約筋の協調不全(排尿筋括約筋協調不全)を悪化させ、上部尿路障害のリスクが高い。
2. 骨盤底筋訓練
❌ 誤り。骨盤底筋訓練は腹圧性尿失禁など末梢性の障害に適応されるが、核上型の痙性膀胱には適応外である。
3. 自己導尿(CIC)
✅ 正しい。C7残存であれば手関節の背屈や指の伸展が可能であり、補助具を使えば自己導尿が実施可能。核上型膀胱管理の第一選択であり、上部尿路保護・感染予防・QOL向上の観点からも推奨される。
4. 尿道カテーテル留置
❌ 誤り。持続カテーテル留置は感染リスク・膀胱萎縮のリスクが高く、長期管理には適さない。自己導尿が可能な症例では原則避ける。
5. 膀胱瘻の造設
❌ 誤り。膀胱瘻は自己導尿が困難な場合の最終手段であり、C7残存で自己導尿が可能な本症例には適応されない。

【試験対策ポイント】

脊髄損傷の膀胱障害は損傷レベルと型で管理方針が異なる。核上型(痙性膀胱)=骨髄円錐より上位の損傷→括約筋過活動→CIC適応。核下型(弛緩性膀胱)=骨髄円錐・馬尾の損傷→膀胱収縮不全→Credé法やCIC。C7残存では手関節背屈による把持代償でCICが可能となる。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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