第58回 作業療法士国家試験 午後 第2問
身体障害作業療法第58回午後
第58回 作業療法士国家試験 午後 第2問(身体障害作業療法)の正答は 5 です。本例は疲労が強く、表在感覚の鈍麻と進行する視覚障害がある。
問題
43歳の女性。多発性硬化症。発症から3年経過。寛解と再燃とを繰り返している。四肢筋力は軽度低下し、表在感覚が軽度鈍麻している。疲労の訴えが多く、入院となった。最近徐々に視覚障害を生じてきた。この患者に対する作業療法で最も適切なのはどれか。
- 1. 針で布を縫う(裁縫)
- 2. 鋸で板を切る(木工)
- 3. 鍬で土を耕す(畑仕事)
- 4. 木槌で刻印を打つ(革細工)
- 5. 杼(ひ)で横糸を通す(機織り) ✓
正答:5番
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この問題の正答率(OTカコモン利用者の実データ)
初回正答率 56%参考値
25人の初回解答から算出(2026年10月21日時点)。母数が少ないため参考値です
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、OTカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
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解説
■ 正答:5番 — 杼(ひ)で横糸を通す(機織り)
本例は疲労が強く、表在感覚の鈍麻と進行する視覚障害がある。選ぶのは「座位で行え、刃物・針・打撃がなく、細かい視覚に頼らず、途中で休める」作業である。図5の卓上の機織りがこれに当たる。
【各選択肢の解説】
1. 針で布を縫う(裁縫)
❌ 誤り。針先と縫い目を目で追う細かい視覚の作業で、感覚鈍麻があると針で指を刺しても気づきにくい。正しくは、視覚障害と感覚障害がある本例には、針のような鋭い道具と細かい視覚を要しない作業を選ぶ。
❌ 誤り。針先と縫い目を目で追う細かい視覚の作業で、感覚鈍麻があると針で指を刺しても気づきにくい。正しくは、視覚障害と感覚障害がある本例には、針のような鋭い道具と細かい視覚を要しない作業を選ぶ。
2. 鋸で板を切る(木工)
❌ 誤り。図2は立位で鋸を前後に引く全身的な作業で、疲労を強める。刃物を使うため、感覚・視覚の障害があると危険も大きい。正しくは、疲労の強い多発性硬化症には座位で負荷を調整できる作業を選ぶ。
❌ 誤り。図2は立位で鋸を前後に引く全身的な作業で、疲労を強める。刃物を使うため、感覚・視覚の障害があると危険も大きい。正しくは、疲労の強い多発性硬化症には座位で負荷を調整できる作業を選ぶ。
3. 鍬で土を耕す(畑仕事)
❌ 誤り。図3は立位で前かがみになり鍬を振る重作業で、エネルギー消費が大きい。屋外での作業は体温が上がりやすく、多発性硬化症では体温上昇で症状が一時的に悪化することがある(Uhthoff現象)。正しくは、屋内・座位の低負荷の作業を選ぶ。
❌ 誤り。図3は立位で前かがみになり鍬を振る重作業で、エネルギー消費が大きい。屋外での作業は体温が上がりやすく、多発性硬化症では体温上昇で症状が一時的に悪化することがある(Uhthoff現象)。正しくは、屋内・座位の低負荷の作業を選ぶ。
4. 木槌で刻印を打つ(革細工)
❌ 誤り。図4は片手で刻印を持ち、反対の手の木槌で打つ作業で、狙いを目で定める必要がある。視覚障害と感覚鈍麻があると、刻印を持つ手を打つ危険がある。正しくは、打撃動作がなく、手元を細かく見なくてよい作業を選ぶ。
❌ 誤り。図4は片手で刻印を持ち、反対の手の木槌で打つ作業で、狙いを目で定める必要がある。視覚障害と感覚鈍麻があると、刻印を持つ手を打つ危険がある。正しくは、打撃動作がなく、手元を細かく見なくてよい作業を選ぶ。
5. 杼(ひ)で横糸を通す(機織り)
✅ 正しい(=正答)。図5は座位で卓上の織機に向かい、杼を左右に送って横糸を通す作業である。動作は単純な繰り返しで大きな物を扱うため細かい視覚に頼らず、刃物も打撃もない。工程の区切りで休めるため、疲労に合わせて量を調節しやすい。
✅ 正しい(=正答)。図5は座位で卓上の織機に向かい、杼を左右に送って横糸を通す作業である。動作は単純な繰り返しで大きな物を扱うため細かい視覚に頼らず、刃物も打撃もない。工程の区切りで休めるため、疲労に合わせて量を調節しやすい。
【試験対策ポイント】
| 作業 | 姿勢 | 危険・負担 |
|---|---|---|
| 裁縫 | 座位 | 針・細かい視覚 |
| 木工(鋸) | 立位 | 刃物・全身の負荷 |
| 畑仕事 | 立位・屋外 | 重労働・体温上昇 |
| 革細工(刻印) | 座位 | 打撃・狙いを定める視覚 |
| 機織り | 座位 | 少ない |
- 多発性硬化症の作業選択は「疲労(休憩を入れる・低負荷)」「体温上昇を避ける」「感覚・視覚障害に対する安全」の3点で見る。
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