OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第58回 作業療法士国家試験 午後 第7問

身体障害作業療法第58回午後

第58回 作業療法士国家試験 午後 第7問(身体障害作業療法)の正答は 5 です。各評価結果を整理すると:HDS-R 25点(軽度低下域)、RBMT標準プロフィール14点(境界域〜障害あり)、BADS総プロフィール8点(障害あり)、TMT-B 145秒(注意・遂行機能の低下)であり、記憶・遂行機能障害が明確である。

問題
40歳の女性。保険会社の営業職。くも膜下出血の診断で開頭クリッピング術が施行され、現在、回復期リハビリテーション病院に入院している。事務職への配置転換が可能であるが、本人は営業職への復職を希望している。身体機能に問題はない。Barthel Index 100点、HDS-R 25点、Kohs立方体組み合せテストIQ 88、BIT 141点、RBMT標準プロフィール14点、BADS総プロフィール8点、TMT-A 120秒、TMT-B 145秒であった。復職に向けた作業療法として最も適切なのはどれか。
  1. 1. 営業職への復職を勧める。
  2. 2. 課題の間違いは翌日指摘する。
  3. 3. 関わり続けるスタッフを固定する。
  4. 4. グループ訓練から個別訓練へ移行する。
  5. 5. メモリーノートの活用方法を指導する。

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — メモリーノートの活用方法を指導する。

各評価結果を整理すると:HDS-R 25点(軽度低下域)、RBMT標準プロフィール14点(境界域〜障害あり)、BADS総プロフィール8点(障害あり)、TMT-B 145秒(注意・遂行機能の低下)であり、記憶・遂行機能障害が明確である。営業職のような複雑な対人・情報処理業務では現状困難であり、記憶補償手段としてのメモリーノート指導が最優先となる。


【各選択肢の解説】

1. 営業職への復職を勧める。
❌ 誤り。BADS・RBMT・TMTの結果から遂行機能・記憶機能の低下が示されており、現時点で営業職(高度な判断・記憶・対人対応が必要)への復職を勧めることは不適切。
2. 課題の間違いは翌日指摘する。
❌ 誤り。記憶障害があるため翌日の指摘では記憶に残らない。即時フィードバックが記憶補償の原則。
3. 関わり続けるスタッフを固定する。
❌ 誤り。一貫したスタッフ対応は認知症重度例などで有効だが、本症例では復職支援が目標であり、環境依存を高める対応は適切でない。
4. グループ訓練から個別訓練へ移行する。
❌ 誤り。記憶・注意障害がある場合、初期は個別訓練から始め、段階的にグループへ移行するのが原則であり、逆順は不適切。
5. メモリーノートの活用方法を指導する。
✅ 正しい。RBMTの低下(記憶障害)・BADS低下(遂行機能障害)に対して、外的補助手段であるメモリーノートの習得は、職場復帰を見据えた最も現実的かつ有効なアプローチ。

【試験対策ポイント】

神経心理検査の結果の読み解き方を整理する:

検査本症例の結果意味
RBMT 14点境界〜障害記憶障害あり
BADS 8点障害あり遂行機能障害あり
TMT-B 145秒遅延注意・切替え障害
BIT 141点正常(146点以上が正常、145点以下が半側空間無視疑い)半側空間無視なし
  • メモリーノートは記憶補償手段の代表例。記憶障害の外来・復職支援で必出
  • Kohs IQ 88は境界域だが単独で判断せず、他の神経心理検査と総合的に評価する

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

それでも誤りが残ることがあります。「おかしいな」と思ったらお問い合わせから気軽に教えてください。確認のうえ修正し、皆さんと一緒に解説を育てていきます。

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