OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第58回 作業療法士国家試験 午後 第13問

身体障害作業療法第58回午後

第58回 作業療法士国家試験 午後 第13問(身体障害作業療法)の正答は 5 です。上肢Brunnstromステージ(BRS)Ⅲは、共同運動が随意的に可能だが分離運動はまだ出現していない段階である。

問題
63歳の男性。脳出血による左片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅲ、手指Ⅲ、下肢Ⅳ。上肢の分離運動促通を目的とした自主訓練として最も適切なのはどれか。
第58回午後第13問 図
  1. 1. 書字
  2. 2. 窓ふき
  3. 3. 紙を割く
  4. 4. ボールつき
  5. 5. 棒を垂直に保持

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 棒を垂直に保持

上肢Brunnstromステージ(BRS)Ⅲは、共同運動が随意的に可能だが分離運動はまだ出現していない段階である。分離運動促通の自主訓練には、共同運動パターン(屈筋・伸筋の全体的パターン)を使わず、個別筋の分離した運動を誘発する活動が必要である。棒を垂直に保持する課題は、肩の等張性収縮を伴わない等尺性収縮を誘発し、上肢の共同運動パターンを最小化しながら姿勢保持筋を活性化させるため、分離運動促通の導入として適切である。



【各選択肢の解説】

1. 書字
❌ 誤り。書字は手指の精密運動を必要とし、BRS上肢Ⅲでは手指の分離運動は出現していないため実施困難であり、自主訓練として適切でない。
2. 窓ふき
❌ 誤り。窓ふきは肩関節の随意的な屈伸運動を含むが、肩屈曲(共同運動パターン)を主に使用するため分離運動の促通には向かない。また立位での作業は難易度が高い。
3. 紙を割く
❌ 誤り。紙を割く動作は両手の協調動作を必要とし、麻痺側だけで行う分離運動促通課題としては不適切である。
4. ボールつき
❌ 誤り。ボールつきは肘の屈伸と手関節の運動を要するが、BRS Ⅲでは共同運動パターンでの運動となりやすく、分離運動促通には不適切である。また立位バランスや認知負担も高い。
5. 棒を垂直に保持
✅ 正しい。棒を垂直に保持する課題は、上肢全体の等尺性収縮を促し、共同運動パターンを抑制しながら体幹に近い肩の安定を促通する。BRS Ⅲからの分離運動促通の初期段階として最も適切な自主訓練である。


【試験対策ポイント】
  • BRS上肢の段階と作業選択
BRS段階特徴適切な作業
共同運動の出現等尺性収縮・反射誘発
随意的共同運動等尺性保持・姿勢保持課題
分離運動の出現机上作業・簡単な物品操作
分離運動の進歩日常生活動作・手工芸
ほぼ正常精密動作・就労支援
  • 分離運動促通には「共同運動パターンを誘発しない活動」「等尺性収縮の活用」「神経筋促通手技(PNF等)との組み合わせ」を意識する。
✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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