OTカコモン — 作業療法士国家試験 過去問・解説

第58回 作業療法士国家試験 午後 第15問

精神障害作業療法第58回午後
23歳の女性。パーソナリティ障害。高校生のころから、わざとらしい言動や芝居がかった振る舞いで、たびたび友達と喧嘩になっていた。高校卒業後は、対人関係のトラブルで仕事が長続きせず、職を転々とした。最近、感情が不安定で、派手な外観や見栄を張るような言動が目立ち、無断外泊を繰り返すため、母親に連れられて精神科を受診した。情緒の安定を目的に作業療法が処方された。作業療法場面で予想される行動特徴はどれか。 1. 被暗示性が強い。 2. 単独での活動を好む。 3. 平板化した感情表出である。 4. 過度に作業療法士に依存する。 5. 作業工程の細部へのこだわりがある。
  1. 1. 被暗示性が強い。 ✓
  2. 2. 単独での活動を好む。
  3. 3. 平板化した感情表出である。
  4. 4. 過度に作業療法士に依存する。
  5. 5. 作業工程の細部へのこだわりがある。

正答:1番

解説
■ 正答:1番 — 被暗示性が強い。 本ケースは演技性パーソナリティ障害(Histrionic Personality Disorder)の典型像です。この障害の中核特性である「被暗示性の高さ」が、作業療法場面でも顕著に現れることが予想されます。わざとらしい言動や芝居がかった振る舞い、他者の注目や関心を求める行動パターンが、治療関係の中でも表出される傾向があります。 --- 【各選択肢の解説】 1. 被暗示性が強い。 ✅ 正しい。演技性パーソナリティ障害の特性として、他者の言動や暗示に容易に影響され、注目や賞賛を得るために他者の期待に応じやすい傾向が強いため、作業療法士の指示や評価に敏感に反応します。 2. 単独での活動を好む。 ❌ 誤り。むしろ対人的な注目や刺激を強く求める特性があり、他者との関係性を重視する傾向が強いため、単独活動は避ける傾向にあります。 3. 平板化した感情表出である。 ❌ 誤り。演技性パーソナリティ障害は感情表出が浅薄・不安定ですが、むしろ過度に表現的で劇的です。平板化した感情表出は統合失調症やアスペルガー症候群などの特性です。 4. 過度に作業療法士に依存する。 ❌ 誤り。対人関係のトラブルや無断外泊の繰り返しから、関係性の不安定性が明らかで、依存というより関係性の浅薄さが特徴です。 5. 作業工程の細部へのこだわりがある。 ❌ 誤り。むしろ細部への関心が低く、大まかな印象や感情的な満足度を優先する傾向があります。強いこだわりは強迫性パーソナリティ障害の特徴です。 --- 【試験対策ポイント】 • 演技性パーソナリティ障害:被暗示性、対人関係への過剰な関心、浅薄な感情、注目希求行動 • 作業療法場面での現れ:治療者への過度な関心、劇的な反応、他者の評価への敏感性 • パーソナリティ障害の特性と作業療法場面での行動変化の対応関係が問われやすい
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