第58回 作業療法士国家試験 午後 第16問
発達障害作業療法第58回午後
26歳の女性。幼少期は手がかからず、人見知りはなかった。小学校では友人とのおしゃべりが苦手で、一人で読書をすることを好んだ。中学校では、場の雰囲気に合わせて対応できず、孤立しがちで、一時不登校となった。成績は優秀で理系の大学院を修了後、大手企業に就職した。しかし、上司に接客態度を注意され、同僚とも馴染めず、1か月で退職した。急な退職を心配した両親に付き添われ精神科を受診した。この患者の生活歴から最も考えられるのはどれか。
1. うつ病
2. 自閉症スペクトラム障害
3. 双極性障害
4. 統合失調症
5. パニック障害
- 1. うつ病
- 2. 自閉症スペクトラム障害 ✓
- 3. 双極性障害
- 4. 統合失調症
- 5. パニック障害
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 自閉症スペクトラム障害
本症例は幼少期から対人相互作用の質的障害(おしゃべりが苦手、一人で読書を好む)、社会場面への適応困難(場の雰囲気に合わせられない)が持続しており、これらは自閉症スペクトラム障害の特徴的な発達歴パターンです。成績優秀という認知能力と社会性の不適応のギャップも典型的です。
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【各選択肢の解説】
1. うつ病
❌ 誤り。うつ病は主に気分低下が主症状であり、幼少期からの対人相互作用の質的障害や生涯にわたる社会性の問題を説明できません。
2. 自閉症スペクトラム障害
✅ 正しい。対人コミュニケーション能力の持続的な困難、社会的状況への適応不全、一貫した孤立パターンが幼少期から認められ、知的能力と社会性の乖離も典型的です。
3. 双極性障害
❌ 誤り。双極性障害の主症状は気分変動(躁状態と抑うつ状態の周期)であり、発達期からの対人関係の質的障害を主徴としません。
4. 統合失調症
❌ 誤り。統合失調症は一般的に思春期~成人期に急性発症し、幼少期からの持続的な対人社会性の問題や優秀な学業成績パターンは典型的ではありません。
5. パニック障害
❌ 誤り。パニック障害は不安症で急性発作が中心であり、生涯にわたる対人相互作用の質的障害を説明できません。
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【試験対策ポイント】
• ASD は対人コミュニケーションの質的障害が幼少期から持続し、成人期まで社会適応困難として表れる発達障害
• 知的能力が高いにもかかわらず対人関係に困難を示す乖離パターンはASD の典型例
• 他の精神障害は発症時期や主症状が異なり、発達歴の特徴では区別可能