OTカコモン — 作業療法士国家試験 過去問・解説

第58回 作業療法士国家試験 午後 第17問

精神障害作業療法第58回午後
55歳の男性。中学校教員。元来、几帳面で真面目な性格。半年前から経験のないバレー部の顧問を任され、心労が重なっていた。2か月前から早朝覚醒、食欲低下が出現し、抑うつ気分を自覚していた。1か月前から「どうやって授業をすればよいか分からない。死んで生徒にお詫びをしたい」などと述べるようになった。妻に付き添われて精神科を受診後、入院となり、薬物療法が開始となった。入院2週後から作業療法が開始された。作業療法開始時の対応で適切なのはどれか。 1. 気分がよいときは薬を飲まないように伝える。 2. 休息の重要性について説明する。 3. 集団でのスポーツ活動を優先する。 4. 授業のやり方について相談に乗る。 5. 早期退職を勧める。
  1. 1. 気分がよいときは薬を飲まないように伝える。
  2. 2. 休息の重要性について説明する。 ✓
  3. 3. 集団でのスポーツ活動を優先する。
  4. 4. 授業のやり方について相談に乗る。
  5. 5. 早期退職を勧める。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 休息の重要性について説明する。 本症例は大うつ病性障害による入院治療中の患者です。薬物療法開始2週後という急性期から回復期への移行時点では、まず心身の休息と安定化が優先課題となります。患者の心理・社会的負担を軽減し、焦燥感なく治療に専念できる環境づくりが作業療法の初期対応として最も適切です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 気分がよいときは薬を飲まないように伝える。 ❌ 誤り。抗うつ薬は症状改善後も再発予防のため継続投与が必須です。患者の自己判断による中断は再発リスクを著しく高めます。 2. 休息の重要性について説明する。 ✅ 正しい。急性期から回復期の患者は過度な活動が焦燥感や不安を増強するため、段階的活動と十分な休息が治療の基本です。患者教育として重要な初期対応です。 3. 集団でのスポーツ活動を優先する。 ❌ 誤り。大うつ病患者の入院早期に集団活動は心理的負担が大きく、対人不安や焦燥感を増強させます。個別対応から段階的に進めるべきです。 4. 授業のやり方について相談に乗る。 ❌ 誤り。「死んでお詫びしたい」という自殺念慮がある急性期に、職務復帰に関する相談は時期尚早です。治療終了後の社会復帰段階での対応が適切です。 5. 早期退職を勧める。 ❌ 誤り。作業療法士が一方的に退職を勧めることは治療の枠を超えており、本人の自尊心や将来への絶望感をさらに深めます。医師を含むチーム判断が必要です。 --- 【試験対策ポイント】 • 大うつ病急性期の作業療法:「休息」と「心理的安定化」が最優先 • 自殺念慮がある場合:安全確保と段階的活動が鉄則 • 薬物療法継続:患者教育で重要性を説明し、自己中断を防止
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