第58回 作業療法士国家試験 午後 第20問
精神障害作業療法第58回午後
第58回 作業療法士国家試験 午後 第20問(精神障害作業療法)の正答は 2 です。外来作業療法開始当初の最優先課題は、対象者との信頼関係構築と動機・興味の把握(作業歴・ニーズの確認)である。
問題
42歳の女性。統合失調症。定期的に訪問看護を受けながら社会生活ができている。服薬が不規則になったり、強いストレス状況下で時折幻聴があるが、ある程度は対処できている。本人は、一般就労を希望しており、訪問看護と外来作業療法で支援することになった。訪問看護師からの情報では、本人の部屋には服や食器が散乱しているとのことであった。開始当初の作業療法士の対応で最も優先すべきなのはどれか。
- 1. 本人の部屋の整理整頓を促す。
- 2. 本人の興味や関心事を把握する。 ✓
- 3. 規則的な服薬の重要性について指導する。
- 4. 幻聴があるので入院治療を受けるように促す。
- 5. 作業療法士自身の私生活について積極的に伝える。
正答:2番
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解説
■ 正答:2番 — 本人の興味や関心事を把握する。
外来作業療法開始当初の最優先課題は、対象者との信頼関係構築と動機・興味の把握(作業歴・ニーズの確認)である。就労希望という本人の目標はあるが、まず本人の視点から何に興味があり、何を大切にしているかを把握することが支援の出発点となる。
【各選択肢の解説】
1. 本人の部屋の整理整頓を促す。
❌ 誤り。部屋の散乱は問題だが、訪問看護師の情報であり本人の訴えではない。開始当初に強制的に整理整頓を促すことは信頼関係を損なう。生活環境の課題は関係構築後に段階的に取り組む。
❌ 誤り。部屋の散乱は問題だが、訪問看護師の情報であり本人の訴えではない。開始当初に強制的に整理整頓を促すことは信頼関係を損なう。生活環境の課題は関係構築後に段階的に取り組む。
2. 本人の興味や関心事を把握する。
✅ 正しい。作業療法評価の起点は「本人の興味・関心・動機」の把握(COPM・興味チェックリスト等)。本人の価値観・希望を理解することが以後の支援計画の根拠となる。
✅ 正しい。作業療法評価の起点は「本人の興味・関心・動機」の把握(COPM・興味チェックリスト等)。本人の価値観・希望を理解することが以後の支援計画の根拠となる。
3. 規則的な服薬の重要性について指導する。
❌ 誤り。服薬管理は重要だが、開始当初から指導を前面に出すことは関係構築に悪影響を与える可能性がある。服薬指導は看護・医療チームとの連携で行い、OTは動機づけ・生活支援から入るのが原則。
❌ 誤り。服薬管理は重要だが、開始当初から指導を前面に出すことは関係構築に悪影響を与える可能性がある。服薬指導は看護・医療チームとの連携で行い、OTは動機づけ・生活支援から入るのが原則。
4. 幻聴があるので入院治療を受けるように促す。
❌ 誤り。「時折幻聴があるが、ある程度は対処できている」とあり、現在は外来・訪問看護で生活できている。入院治療を一方的に促すことは本人の自律・リカバリーの観点から不適切。
❌ 誤り。「時折幻聴があるが、ある程度は対処できている」とあり、現在は外来・訪問看護で生活できている。入院治療を一方的に促すことは本人の自律・リカバリーの観点から不適切。
5. 作業療法士自身の私生活について積極的に伝える。
❌ 誤り。OTが自己開示を意図的に行うことは適切ではない。自己開示の目的・適切な程度の判断が必要であり、「積極的に」は明らかに不適切。
❌ 誤り。OTが自己開示を意図的に行うことは適切ではない。自己開示の目的・適切な程度の判断が必要であり、「積極的に」は明らかに不適切。
【試験対策ポイント】
精神障害OTの支援開始時の原則:アセスメント(興味・動機・強みの把握)→ 目標設定の共有 → 段階的な活動導入
- リカバリー志向:本人の希望(就労)を尊重し、強みから出発する
- 開始当初の指導・強制・入院勧告はすべて関係破壊につながる
- 「興味や関心事を把握する」=作業療法評価の出発点(OSA・興味チェックリスト等が対応する評価ツール)
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