第58回 作業療法士国家試験 午後 第43問
精神障害作業療法第58回午後
第58回 作業療法士国家試験 午後 第43問(精神障害作業療法)の正答は 4 です。統合失調症の再発予防における家族介入の重要な概念として、感情表出(EE:Expressed Emotion)の低減がある。
問題
統合失調症再発防止のために患者本人に対する同居家族の対応として最も有用なのはどれか。
- 1. 本人の外出に毎回同行する。
- 2. 本人の借金を無条件に返済する。
- 3. 不適切な行動には本人の人格を批判する。
- 4. 口論がみられるようなら対面接触時間を減らす。 ✓
- 5. 本人が処方薬の内服を忘れた場合、厳しく叱責する。
正答:4番
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解説
■ 正答:4番 — 口論がみられるようなら対面接触時間を減らす。
統合失調症の再発予防における家族介入の重要な概念として、感情表出(EE:Expressed Emotion)の低減がある。批判・敵意・情緒的過関与が高い(High EE)家族環境では再発率が高いことが実証されており、口論(批判・敵意の高まり)が生じる場面では接触時間を減らすことが再発予防に有効とされる。
【各選択肢の解説】
1. 本人の外出に毎回同行する。
❌ 誤り。過度な保護・干渉(情緒的過関与)はHigh EEの要因となり、再発リスクを高める可能性がある。
❌ 誤り。過度な保護・干渉(情緒的過関与)はHigh EEの要因となり、再発リスクを高める可能性がある。
2. 本人の借金を無条件に返済する。
❌ 誤り。無条件の援助は依存を強め、本人の自律を妨げる。条件なしの援助は適切な支援とはいえない。
❌ 誤り。無条件の援助は依存を強め、本人の自律を妨げる。条件なしの援助は適切な支援とはいえない。
3. 不適切な行動には本人の人格を批判する。
❌ 誤り。人格批判は高EE(批判)の典型であり、再発の最大リスク因子のひとつ。行動を批判することはあっても人格を批判することは絶対に避ける。
❌ 誤り。人格批判は高EE(批判)の典型であり、再発の最大リスク因子のひとつ。行動を批判することはあっても人格を批判することは絶対に避ける。
4. 口論がみられるようなら対面接触時間を減らす。
✅ 正しい。EE低減の具体的方策として、高EEになりやすい口論・対立場面での接触時間を減らすことが推奨される(Vaughn & Leff、1976等のEE研究の応用)。
✅ 正しい。EE低減の具体的方策として、高EEになりやすい口論・対立場面での接触時間を減らすことが推奨される(Vaughn & Leff、1976等のEE研究の応用)。
5. 本人が処方薬の内服を忘れた場合、厳しく叱責する。
❌ 誤り。叱責は批判(高EE)に当たり、再発リスクを高める。服薬支援は穏やかな声かけ・環境調整で行う。
❌ 誤り。叱責は批判(高EE)に当たり、再発リスクを高める。服薬支援は穏やかな声かけ・環境調整で行う。
【試験対策ポイント】
感情表出(EE)低減が再発予防の核心:
- High EE 3要素:批判(criticism)・敵意(hostility)・情緒的過関与(EOI)
- 再発リスク低減のための家族介入:接触時間の短縮(特に口論・緊張場面)、家族心理教育(サイコエデュケーション)
- 家族に対して「批判しない・人格を否定しない・適度な距離を保つ」を指導する
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