OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第59回 作業療法士国家試験 午前 第8問

身体障害作業療法第59回午前

第59回 作業療法士国家試験 午前 第8問(身体障害作業療法)の正答は 5 です。図を見ると、左パネルでは検査者が図形(ハンマーと鉛筆)を提示し「この図を同じように写してください」と依頼している。

問題
68歳の女性。脳梗塞で回復期リハビリテーション病院に入院中。作業療法中に図のような状態を示した。考えられる障害はどれか。
第59回午前第8問 図
  1. 1. 観念失行
  2. 2. 拮抗失行
  3. 3. 相貌失認
  4. 4. 脳梁失行
  5. 5. 連合型視覚失認

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 連合型視覚失認

図を見ると、左パネルでは検査者が図形(ハンマーと鉛筆)を提示し「この図を同じように写してください」と依頼している。右パネルでは患者が描写は実行できたが「これは何ですか?」と問われ「さあ…何かしら?」と答えており、視覚的に物品を認識できていない状態を示している。これは視覚的知覚は保たれているが意味理解が障害されている連合型視覚失認の特徴である。


【各選択肢の解説】

1. 観念失行
❌ 誤り。観念失行は道具の使用方法や一連の行為の概念が失われる障害であり、視覚認知自体は保たれている。「物が何かわからない」という症状とは異なる。
2. 拮抗失行
❌ 誤り。拮抗失行(エイリアンハンド症候群)は一方の手が意図に反して動く現象であり、視覚認知の問題ではない。
3. 相貌失認
❌ 誤り。相貌失認は顔の認識が特異的に障害される疾患であり、一般的な物品認識は保たれることが多い。
4. 脳梁失行
❌ 誤り。脳梁失行は脳梁離断により非利き手(通常左手)に失行が生じる現象であり、視覚認知障害ではない。
5. 連合型視覚失認
✅ 正しい。視覚的に物体の形は正確に模写できる(知覚は保たれている)が、その物体が何であるかを認識できない(意味との連合が断たれている)。図の患者はハンマーと鉛筆を模写できているにもかかわらず「何かしら?」と答えており、連合型視覚失認の典型例である。

【試験対策ポイント】

視覚失認の分類を整理する。

分類特徴
統覚型視覚失認形の知覚も障害(模写できない)
連合型視覚失認形の知覚は保持(模写できる)が意味理解が障害
相貌失認顔の同定が特異的に障害
色彩失認色の認識が障害

模写できる→連合型、模写できない→統覚型」という鑑別ポイントが最重要。本問の図版は連合型の典型図版であり、第59回試験の頻出図版として記憶しておく。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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