第59回 作業療法士国家試験 午後 第12問
身体障害作業療法第59回午後
58歳の男性。脳梗塞後の左不全片麻痺。Brunnstrom法ステージ上肢Ⅲ、手指Ⅲ、下肢Ⅲ。短下肢装具装着で杖歩行が可能である。MMSEは25点、高次脳機能障害はない。利き手は右手である。山間部に在住であり自動車の運転が必要である。同居の妻は運転免許を取得していない。オートマチック車での運転再開に向けて作業療法を開始した。運転再開支援で最も適切なのはどれか。
1. 運転免許を更新するために教習所に通うように指導する。
2. 運転再開には臨時適正検査を受けるように指導する。
3. スライディングボードを使用するように指導する。
4. 運転時には妻を助手席に乗せるように指導する。
5. 運転再開の許可は作業療法士が行う。
- 1. 運転免許を更新するために教習所に通うように指導する。
- 2. 運転再開には臨時適正検査を受けるように指導する。 ✓
- 3. スライディングボードを使用するように指導する。
- 4. 運転時には妻を助手席に乗せるように指導する。
- 5. 運転再開の許可は作業療法士が行う。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 運転再開には臨時適正検査を受けるように指導する。
脳梗塞後の身体障害がある場合、運転免許の継続には道路交通法に基づいた臨時適正検査(臨時認知機能検査など)が必要です。医学的評価と実車評価を経た上で、運転能力を客観的に判定される仕組みになっており、患者指導として最も適切です。
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【各選択肢の解説】
1. 運転免許を更新するために教習所に通うように指導する。
❌ 誤り。更新手続きと教習所通所は別の手続きです。臨時適正検査に合格することが先決であり、不要な経費と時間がかかります。
2. 運転再開には臨時適正検査を受けるように指導する。
✅ 正しい。脳梗塞などの脳血管障害後は道路交通法により臨時適正検査(医学的検査と実車評価)が必須です。検査合格後に免許継続が認められます。
3. スライディングボードを使用するように指導する。
❌ 誤り。左不全片麻痺でオートマチック車での運転が目標であり、スライディングボードは自動車内への乗降補助用で、運転再開の直接的な指導ではありません。
4. 運転時には妻を助手席に乗せるように指導する。
❌ 誤り。妻が免許を持たないため、緊急時対応ができません。また運転能力評価後の安全確保ではあっても、再開支援の手段ではありません。
5. 運転再開の許可は作業療法士が行う。
❌ 誤り。運転再開の最終的な許可は医師および警察(臨時適正検査結果)が行うもので、作業療法士の権限ではありません。
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【試験対策ポイント】
• 脳血管障害後の運転再開には臨時適正検査が法的に必須
• 医師の診断と警察の検査に基づいて判定される仕組み
• 作業療法士は評価・訓練支援の立場であり、最終許可権はない