第59回 作業療法士国家試験 午後 第16問
老年期作業療法第59回午後
60歳の女性。専業主婦。Alzheimer型認知症。1年前から最近の出来事を徐々に思い出せなくなり、家に引きこもりがちになった。趣味をする気力がなくなり近所づきあいも減った。「物が盗まれた」などの被害的な言動が増加したため、心配した夫に伴われて精神科を受診した。服薬治療を開始し、重度認知症患者デイケアを利用することとなった。この患者の特徴で適切なのはどれか。
1. 認知機能が変動する。
2. いつも同じ席に座りたがる。
3. 具体的な幻視について話す。
4. 睡眠時に大きな声で寝言を言う。
5. 外出時に帰ることができなくなる。
- 1. 認知機能が変動する。
- 2. いつも同じ席に座りたがる。
- 3. 具体的な幻視について話す。
- 4. 睡眠時に大きな声で寝言を言う。
- 5. 外出時に帰ることができなくなる。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 外出時に帰ることができなくなる。
Alzheimer型認知症の進行に伴い、見当識障害(特に時間・場所の認識障害)が顕著となり、外出先から自宅への帰路がわからなくなる徘徊行動が特徴的です。この患者は「最近の出来事を思い出せなくなり」という記述から、記憶障害が進行している段階にあり、外出時に帰宅経路を忘れる可能性が高いです。
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【各選択肢の解説】
1. 認知機能が変動する。
❌ 誤り。Alzheimer型認知症は認知機能が緩やかに低下していく疾患であり、変動性は特徴ではありません。認知機能の変動はレビー小体型認知症の特徴です。
2. いつも同じ席に座りたがる。
❌ 誤り。常同行動や同じ場所への執着は、前頭側頭型認知症(ピック病)に多く見られる特徴であり、Alzheimer型では顕著ではありません。
3. 具体的な幻視について話す。
❌ 誤り。Alzheimer型認知症では幻視は比較的少なく、むしろレビー小体型認知症で具体的な幻視(小人など)が特徴的です。問題文に幻視の記載もありません。
4. 睡眠時に大きな声で寝言を言う。
❌ 誤り。REM睡眠行動障害は、レビー小体型認知症やパーキンソン病に特徴的であり、Alzheimer型では典型的ではありません。
5. 外出時に帰ることができなくなる。
✅ 正しい。Alzheimer型認知症の進行に伴う見当識障害により、外出先での道順喪失や帰宅経路の忘却が生じ、徘徊行動につながります。
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【試験対策ポイント】
• Alzheimer型認知症:記憶障害・見当識障害→徘徊・帰路喪失
• レビー小体型認知症:変動性認知機能・具体的幻視・REM睡眠行動障害
• 前頭側頭型認知症:常同行動・脱抑制・同じ場所への執着