第59回 作業療法士国家試験 午後 第18問
精神障害作業療法第59回午後
23歳の男性。中学時代から引きこもりがあり、自宅では一人で工作やプラモデル作りをしていた。20歳時に通信制高校を卒業したが、就職せずに自閉的な生活を送っていた。睡眠障害で精神科を受診し、社交不安障害と診断された。薬物療法で外出可能な状態となり、外来作業療法が開始された。導入期の作業療法で最も適切なのはどれか。
1. 言語的交流が必要な作業を行う。
2. 就職希望の職種の聴取を行う。
3. 他者と共同製作作業を行う。
4. プラモデル製作を行う。
5. 履歴書の書き方の学習会に参加する。
- 1. 言語的交流が必要な作業を行う。
- 2. 就職希望の職種の聴取を行う。
- 3. 他者と共同製作作業を行う。
- 4. プラモデル製作を行う。 ✓
- 5. 履歴書の書き方の学習会に参加する。
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — プラモデル製作を行う。
導入期の作業療法は、患者が安心感を得られ、治療的関係を築くための基盤となる作業から段階的に開始する必要があります。本症例では、既に得意とし興味を持つプラモデル製作から開始することで、自信の回復と治療への参加動機につなげることが最適です。
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【各選択肢の解説】
1. 言語的交流が必要な作業を行う。
❌ 誤り。社交不安障害で言語交流に困難がある導入期に、対人交流を要する作業を強いることは不安を増加させ、治療継続を困難にします。
2. 就職希望の職種の聴取を行う。
❌ 誤り。導入期は患者の安定性が不十分であり、就職という現実的課題の聴取は時期尚早です。信頼関係の構築が先決です。
3. 他者と共同製作作業を行う。
❌ 誤り。社交不安が主症状の患者にとって、導入期から他者との共同作業は過度な負担となり、療法継続を阻害します。
4. プラモデル製作を行う。
✅ 正しい。患者の既往の興味・能力を活用した作業であり、安心感と達成感を得ることで治療関係の構築と自信回復につながります。段階的関係改善の第一段階として最適です。
5. 履歴書の書き方の学習会に参加する。
❌ 誤り。集団学習会への参加は社交不安を刺激し、また就職準備も導入期としては時期尚早です。
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【試験対策ポイント】
- 作業療法の導入期は「患者の安心感と信頼関係構築」が最優先
- 既存の興味・能力を活用した作業から開始する「段階的アプローチ」
- 社交不安障害では対人交流を強要せず、個人作業から始める