第59回 作業療法士国家試験 午後 第19問
老年期作業療法第59回午後
65歳の男性。2年前から便秘や立ちくらみが目立ち、人物を誤認することもあった。最近、小刻み歩行と手の震えが目立ち、壁のシミを「虫がいる」と発言するようになった。家族への暴言が多くなり対応困難で入院となった。入院後、作業療法が処方され、集団作業療法が行われている。この患者に対する作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
1. 性的逸脱行為に注意する。
2. 複数の課題を同時進行で行う。
3. 認知機能の日内変動に注意する。
4. 未経験の活動種目を中心に行う。
5. 流動的に活動メンバーを入れ替える。
- 1. 性的逸脱行為に注意する。
- 2. 複数の課題を同時進行で行う。
- 3. 認知機能の日内変動に注意する。 ✓
- 4. 未経験の活動種目を中心に行う。
- 5. 流動的に活動メンバーを入れ替える。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — 認知機能の日内変動に注意する。
本症例はパーキンソン病に伴う認知機能低下(パーキンソン病認知症)と考えられます。この疾患では日中の時間帯により認知機能が大きく変動するため、作業療法実施時間の設定が重要となります。
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【各選択肢の解説】
1. 性的逸脱行為に注意する。
❌ 誤り。本症例に性的逸脱行為は典型的症状ではなく、むしろ幻視や妄想、認知機能低下が主要症状です。
2. 複数の課題を同時進行で行う。
❌ 誤り。認知機能低下がある患者では認知負荷を増やすことは避けるべきで、むしろ単純で明確な課題を提供すべきです。
3. 認知機能の日内変動に注意する。
✅ 正しい。パーキンソン病認知症では「朝方認知機能が良好で夜間に低下する」傾向があり、患者の状態に合わせた作業療法の実施時間設定が最も適切な対応です。
4. 未経験の活動種目を中心に行う。
❌ 誤り。新規学習は困難なため、既知の活動や習慣的な活動を中心とすべきです。
5. 流動的に活動メンバーを入れ替える。
❌ 誤り。認知機能低下がある患者は環境変化に混乱しやすいため、メンバー構成は安定させるべきです。
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【試験対策ポイント】
• パーキンソン病認知症の主症状:幻視、妄想、認知機能低下、日内変動
• 日内変動パターン:朝方良好→夕方低下(夕方症候群)
• 作業療法の環境調整:安定した環境、既知活動、認知負荷最小化