第59回 作業療法士国家試験 午後 第24問
臨床医学第59回午後
重症筋無力症で正しいのはどれか。
1. 肺小細胞癌を合併する。
2. Parkinson病より患者数が多い。
3. テンシロン試験で症状が改善する。
4. 血清クレアチンキナーゼ値が上昇する。
5. 誘発筋電図の反復刺激試験で振幅の漸増を認める。
- 1. 肺小細胞癌を合併する。
- 2. Parkinson病より患者数が多い。
- 3. テンシロン試験で症状が改善する。 ✓
- 4. 血清クレアチンキナーゼ値が上昇する。
- 5. 誘発筋電図の反復刺激試験で振幅の漸増を認める。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — テンシロン試験で症状が改善する。
重症筋無力症は神経筋接合部でのアセチルコリン受容体に対する自己抗体により、神経筋伝達が障害される疾患です。テンシロン(エドロフォニウム)はアセチルコリンエステラーゼ阻害薬で、投与により症状が一時的に改善することが診断的価値を持ちます。
---
【各選択肢の解説】
1. 肺小細胞癌を合併する。
❌ 誤り。重症筋無力症が合併しやすい悪性腫瘍は胸腺腫であり、肺小細胞癌ではありません。患者の10~15%が胸腺腫を伴います。
2. Parkinson病より患者数が多い。
❌ 誤り。重症筋無力症の患者数は約10万人に1~2人と稀少疾患であり、Parkinson病(約10万人に100~150人)より圧倒的に少ないです。
3. テンシロン試験で症状が改善する。
✅ 正しい。テンシロンはアセチルコリンエステラーゼ阻害薬で、アセチルコリンの分解を抑制し神経筋伝達を改善させるため、重症筋無力症患者では投与後に眼瞼下垂や全身筋力が一時的に改善します。
4. 血清クレアチンキナーゼ値が上昇する。
❌ 誤り。重症筋無力症は神経筋接合部の疾患であり筋原性疾患ではないため、CK値は正常です。CK上昇は筋炎や筋ジストロフィーで認められます。
5. 誘発筋電図の反復刺激試験で振幅の漸増を認める。
❌ 誤り。重症筋無力症では振幅の漸減(低下)が認められます。漸増はLambert-Eaton症候群で見られる特徴です。
---
【試験対策ポイント】
• 重症筋無力症の診断:テンシロン試験、抗体検査(抗AChR抗体)、反復刺激試験で振幅漸減
• 合併腫瘍:胸腺腫(10~15%)
• 反復刺激試験の振幅漸減はLambert-Eaton症候群との鑑別ポイント