第59回 作業療法士国家試験 午後 第29問
身体障害作業療法第59回午後
高次脳機能障害の作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1. 記憶障害に対しては間隔伸張法を用いる。
2. 遂行機能障害に対してはPQRST法を用いる。
3. 注意障害に対しては刺激の多い環境を設定する。
4. 社会的行動異常に対しては周囲の人々に症状の理解を促す。
5. 半側空間無視に対してはAPT〈Attention Process Training〉を用いる。
- 1. 記憶障害に対しては間隔伸張法を用いる。 ✓
- 2. 遂行機能障害に対してはPQRST法を用いる。
- 3. 注意障害に対しては刺激の多い環境を設定する。
- 4. 社会的行動異常に対しては周囲の人々に症状の理解を促す。 ✓
- 5. 半側空間無視に対してはAPT〈Attention Process Training〉を用いる。
正答:1・4番
解説
■ 正答:1番、4番
1番は記憶障害への間隔伸張法、4番は社会的行動異常への周囲の理解促進が、高次脳機能障害の作業療法における標準的で有効な介入方法です。
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【各選択肢の解説】
1. 記憶障害に対しては間隔伸張法を用いる。
✅ 正しい。間隔伸張法は、復習の間隔を段階的に延長させることで長期記憶を定着させる実証的な手法で、記憶障害のリハビリでは標準的に活用されます。
2. 遂行機能障害に対してはPQRST法を用いる。
❌ 誤り。PQRST法は読解や学習のための読書技法です。遂行機能障害にはGoal-Plan-Do-Check法やタスク分析が用いられます。
3. 注意障害に対しては刺激の多い環境を設定する。
❌ 誤り。注意障害患者は刺激に過敏であるため、むしろ刺激を制限し、静かで整理された環境を設定することが原則です。
4. 社会的行動異常に対しては周囲の人々に症状の理解を促す。
✅ 正しい。社会的行動異常(易怒性、脱抑制など)への介入では、家族や職場の周囲者が症状を理解し対応することが、患者の社会統合と二次的障害予防に極めて重要です。
5. 半側空間無視に対してはAPT〈Attention Process Training〉を用いる。
❌ 誤り。APTは注意障害全般に対する訓練法です。半側空間無視にはスキャニング訓練やプリズム適応訓練が用いられます。
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【試験対策ポイント】
- 間隔伸張法:記憶障害の標準的リハビリ手法
- 社会的行動異常:患者本人の訓練より周囲の理解と環境調整が優先
- 注意障害:刺激を制限する環境管理が基本