第60回 作業療法士国家試験 午前 第4問
身体障害作業療法第60回午前
54歳の女性。手内筋が萎縮し、環指と小指はMP関節が過伸展し、PIP関節・DIP関節が屈曲している。また、環指と小指のしびれの訴えがある。薬物療法と装具療法が開始された。この患者が使用する装具で適切なのはどれか。
1. 短対立装具
2. ナックルベンダー
3. バデイスプリント
4. 逆ナックルベンダー
5. コックアップ・スプリント
- 1. 短対立装具
- 2. ナックルベンダー ✓
- 3. バデイスプリント
- 4. 逆ナックルベンダー
- 5. コックアップ・スプリント
正答:2番
解説
# 第60回 第A004問 解説
■ 正答:2番 — ナックルベンダー
環指・小指のMP過伸展+PIP・DIP屈曲という変形はクロー変形(鷲手変形)であり、尺骨神経麻痺の典型像である。環小指のしびれも尺骨神経領域の感覚障害を示す。この変形ではMP関節の過伸展を防ぎ屈曲位に保持する装具が必要である。
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【各選択肢の解説】
1. 短対立装具
❌ 誤り。短対立装具は正中神経麻痺による母指対立障害(猿手)に対して使用する。尺骨神経麻痺には適応しない。
2. ナックルベンダー
✅ 正しい。ナックルベンダーはMP関節を屈曲位に保持しクロー変形を矯正する装具。尺骨神経麻痺によるMP過伸展に対して適応となる。
3. バデイスプリント
❌ 誤り。バデイスプリント(隣指固定)は隣接指を固定して安定性を補助するもので、骨折後や靱帯損傷に用いる。クロー変形の矯正には不適切。
4. 逆ナックルベンダー
❌ 誤り。逆ナックルベンダーはMP関節を伸展方向に矯正するものであり、クロー変形(MP過伸展)には禁忌方向となる。
5. コックアップ・スプリント
❌ 誤り。コックアップ・スプリントは手関節の背屈位保持に用いる装具であり、橈骨神経麻痺(下垂手)に適応する。
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【試験対策ポイント】
末梢神経麻痺と装具の対応を整理する:
| 神経麻痺 | 変形 | 対応装具 |
|---|---|---|
| 正中神経 | 猿手(母指対立不能) | 短対立装具 |
| 尺骨神経 | 鷲手(MP過伸展、PIP/DIP屈曲) | **ナックルベンダー** |
| 橈骨神経 | 下垂手(手関節屈曲位) | コックアップ・スプリント |
「**鷲手=ナックルベンダー**」の対応は最重要。環指・小指のしびれが尺骨神経領域であることも確認ポイント。
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