OTカコモン — 作業療法士国家試験 過去問・解説

第60回 作業療法士国家試験 午前 第5問

身体障害作業療法第60回午前
45歳の女性。右乳癌の診断で、右乳房切除および腋窩リンパ節郭清術を受けた。術後1年経過。右上肢にリンパ浮腫(病期分類Ⅰ期)を生じた。患側の生活指導で最も正しいのはどれか。 1. 上肢を挙上する。 2. 上肢へ負荷をかける。 3. マッサージは強めにする。 4. 肩関節の可動域訓練は避ける。 5. 50mmHgの上肢スリーブを装着する。
  1. 1. 上肢を挙上する。 ✓
  2. 2. 上肢へ負荷をかける。
  3. 3. マッサージは強めにする。
  4. 4. 肩関節の可動域訓練は避ける。
  5. 5. 50mmHgの上肢スリーブを装着する。

正答:1番

解説
# 第60回 第A005問 解説 ■ 正答:1番 — 上肢を挙上する。 乳癌術後リンパ浮腫(病期Ⅰ期)の生活指導では、リンパ液の流れを促進し浮腫の悪化を防ぐことが基本方針となる。患側上肢の挙上はリンパ液および静脈血の重力による還流を促し、浮腫の軽減に効果的である。 --- 【各選択肢の解説】 1. 上肢を挙上する。 ✅ 正しい。患側上肢を心臓より高く保つことでリンパ液・静脈血の重力還流を促進し、浮腫軽減に有効である。 2. 上肢へ負荷をかける。 ❌ 誤り。過度な負荷は筋ポンプを過剰に刺激し、リンパ液産生を増加させてリンパ浮腫を悪化させる可能性がある。 3. マッサージは強めにする。 ❌ 誤り。リンパ浮腫に対するマッサージはリンパドレナージ(軽擦法)が基本であり、強いマッサージは組織を傷つけリンパ管を損傷するリスクがある。 4. 肩関節の可動域訓練は避ける。 ❌ 誤り。術後の肩関節可動域訓練は早期から行い、癒着・拘縮を予防することが推奨される。 5. 50mmHgの上肢スリーブを装着する。 ❌ 誤り。リンパ浮腫Ⅰ期に対して50mmHgという高い圧迫は過剰であり、通常は20〜30mmHg程度の弾性スリーブが使用される。 --- 【試験対策ポイント】 リンパ浮腫管理の4本柱:①**複合的理学療法(CDT)**、②**弾性包帯・スリーブ**、③**リンパドレナージ**(軽擦法)、④**患肢挙上**。強いマッサージ・高圧スリーブ・過負荷はいずれも禁忌。「**挙上・軽擦・適切圧迫**」をセットで覚える。 ---
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