第60回 作業療法士国家試験 午前 第31問
老年期作業療法第60回午前
Parkinson病患者(Yahrの重症度分類ステージⅢ)のADL指導で最も適切なのはどれか。
1. 屋内はスリッパを履く。
2. 毛足の長いカーペットを敷く。
3. 髭剃りはカミソリを利用する。
4. スロープよりも階段を利用する。
5. 屋外ではロフストランド杖を利用する。
- 1. 屋内はスリッパを履く。
- 2. 毛足の長いカーペットを敷く。
- 3. 髭剃りはカミソリを利用する。
- 4. スロープよりも階段を利用する。 ✓
- 5. 屋外ではロフストランド杖を利用する。
正答:4番
解説
# 第60回 第A031問 解説
■ 正答:4番 — スロープよりも階段を利用する。
Parkinson病Yahrステージ3は両側性の症状があり姿勢反射障害が出現した段階(転倒リスクあり、しかし自力歩行可能)である。階段には手すりがあり、1段1段の目標物(踏み段の端)が視覚的リズム刺激となるため、すくみ足を軽減しやすい。一方、スロープは連続した単調な傾斜でリズム刺激が乏しく、すくみ足が誘発されやすい。
---
【各選択肢の解説】
1. 屋内はスリッパを履く。
❌ 誤り。スリッパは足が固定されず踵が浮くため、すくみ足・転倒のリスクが増大する。踵が固定された履物(靴)の着用が適切。
2. 毛足の長いカーペットを敷く。
❌ 誤り。毛足が長いと足を引っかけて転倒しやすい。Parkinson病患者には平滑で滑らない床面が推奨される。
3. 髭剃りはカミソリを利用する。
❌ 誤り。振戦・動作緩慢があるためカミソリは切傷リスクが高い。電動シェーバーの使用が適切。
4. スロープよりも階段を利用する。
✅ 正しい。階段の段差エッジは視覚的リズム刺激となり、すくみ足の改善に有効。手すり使用で安全性も確保できる。Parkinson病のすくみ足にはリズム刺激が有効であることが知られている。
5. 屋外ではロフストランド杖を利用する。
❌ 誤り。Parkinson病患者には4点杖よりも逆T字杖・歩行器が推奨されることが多い。またすくみ足に対してはT字杖のほうが有用とされ、ロフストランド杖の特異的推奨根拠は薄い。
---
【試験対策ポイント】
Parkinson病Yahrステージ3のADL指導:**「すくみ足対策=リズム・視覚刺激」**が鍵。床のテープ・音楽・メトロノームのリズムが有効。「**スロープよりも段差(階段)**」は頻出の正答肢。スリッパ禁止・毛足長いカーペット禁止・カミソリ禁止は転倒・外傷予防の観点から覚える。
---