OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第60回 作業療法士国家試験 午前 第45問

精神障害作業療法第60回午前

第60回 作業療法士国家試験 午前 第45問(精神障害作業療法)の正答は 1 です。境界性パーソナリティ障害(BPD)では感情調節困難・衝動性が中核症状であり、作業を通じた衝動エネルギーの発散(昇華)は有効な治療的アプローチである。

問題
境界性パーソナリティ障害の患者に対する作業療法士の対応で適切なのはどれか。
  1. 1. 作業による衝動の発散を行う。
  2. 2. 作業療法の頻度は希望により変更する。
  3. 3. 治療関係で生じる陽性転移を利用する。
  4. 4. 人の入れ替わりが多い集団を利用する。
  5. 5. 作業療法士への依存を通して関係を築く。

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 作業による衝動の発散を行う。

境界性パーソナリティ障害(BPD)では感情調節困難・衝動性が中核症状であり、作業を通じた衝動エネルギーの発散(昇華)は有効な治療的アプローチである。


【各選択肢の解説】

1. 作業による衝動の発散を行う。
✅ 正しい。BPDの衝動性に対して、手工芸・スポーツ・創作活動等の作業に衝動エネルギーを昇華させることは治療的に有効である。
2. 作業療法の頻度は希望により変更する。
❌ 誤り。BPD患者の希望に応じて頻度を変更することは、操作的行動パターンを強化するリスクがある。治療構造(枠組み)は一定に保つことが基本原則。
3. 治療関係で生じる陽性転移を利用する。
❌ 誤り。BPDでは治療者への強い理想化(陽性転移)とその後の急激な価値下げ(splitting)が特徴的。陽性転移を利用することは過度な依存・関係の崩壊を招くリスクがある。
4. 人の入れ替わりが多い集団を利用する。
❌ 誤り。BPD患者は関係の不安定さ・見捨てられ不安が強く、人の入れ替わりが多い集団では不安が高まり逆効果となる。一定のメンバーで構成された安定した集団が適切。
5. 作業療法士への依存を通して関係を築く。
❌ 誤り。BPDでは依存-価値下げのサイクルが生じやすく、過度な依存関係は治療上有害。適切な距離感を保ちながらの一貫した関わりが原則。

【試験対策ポイント】

境界性パーソナリティ障害の作業療法原則:①治療構造(枠・ルール)の一定保持、②依存の助長を避ける、③一貫した対応(splitting防止)、④衝動の昇華(作業による発散)。「希望に応じた変更・依存の促進・陽性転移の利用・不安定な集団」は全て誤答肢として頻出。


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ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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