第60回 作業療法士国家試験 午後 第19問
精神障害作業療法第60回午後
33歳の女性。1年前から娘の不登校で心労が重なっていた。1か月前から不眠と意欲低下が出現した。2週前からは口数が減り、食事をほとんど口にせず、「私は母親失格です」と涙をこぼすようになった。夫に付き添われ精神科を受診し入院となり、作業療法が開始された。入院10日目、担当する作業療法士に「もう死なせて下さい。今日で終わりにしたいです」と訴えた。作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1. 「世の中にはもっと苦しい人もいます」
2. 「死にたいなどと言わずにもっと頑張りましょう」
3. 「薬が効いていないので、主治医に伝えておきます」
4. 「なぜそのような気持ちになったのか、聞かせて下さい」
5. 「まだ入院したばかりですから、辛くても我慢して下さい」
- 1. 「世の中にはもっと苦しい人もいます」
- 2. 「死にたいなどと言わずにもっと頑張りましょう」
- 3. 「薬が効いていないので、主治医に伝えておきます」
- 4. 「なぜそのような気持ちになったのか、聞かせて下さい」 ✓
- 5. 「まだ入院したばかりですから、辛くても我慢して下さい」
正答:4番
解説
# 第60回 第B019問 解説
■ 正答:4番 — 「なぜそのような気持ちになったのか、聞かせて下さい」
希死念慮を訴える患者への対応では、まず気持ちを否定せず受容的に傾聴することが基本です。患者の訴えに耳を傾け、感情を表出させる対応が適切です。
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【各選択肢の解説】
1. 「世の中にはもっと苦しい人もいます」
❌ 誤り。苦痛を比較・軽視する言葉で、患者を追い詰めます。
2. 「死にたいなどと言わずにもっと頑張りましょう」
❌ 誤り。叱咤激励はうつ病で禁忌。負担と自責を強めます。
3. 「薬が効いていないので、主治医に伝えておきます」
❌ 誤り。情報共有自体は必要だが、訴えを薬の問題に矮小化し、患者の感情に向き合っていません。
4. 「なぜそのような気持ちになったのか、聞かせて下さい」
✅ 正しい。受容的・共感的に傾聴し、感情表出を促す適切な対応です。
5. 「まだ入院したばかりですから、辛くても我慢して下さい」
❌ 誤り。我慢の強要は苦痛を放置し、信頼関係を損ねます。
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【試験対策ポイント】
うつ病・希死念慮への対応の原則=**受容・傾聴・共感**。**激励(頑張れ)は禁忌**、**苦痛の比較・我慢の強要・問題の矮小化**も不可。「死にたい」という訴えは抱え込ませず、率直に話を聴く姿勢が正解になる。TALKの原則(Tell・Ask・Listen・Keep safe)も併せて押さえておくと良い。