OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第60回 作業療法士国家試験 午後 第44問

精神障害作業療法第60回午後

第60回 作業療法士国家試験 午後 第44問(精神障害作業療法)の正答は 1・4 です。急性期後期(亜急性期)のうつ病患者に対する、作業療法導入期の対応を問う問題。

問題
急性期後期のうつ病患者に対する作業療法導入期の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
  1. 1. 経験のない作業を勧める。
  2. 2. 作業工程が複雑な作業を勧める。
  3. 3. 作業中に励ましの言葉をかける。
  4. 4. 休養が重要であることを説明する。
  5. 5. うつ症状は気持ちの持ちようであると伝える。

正答:1・4番

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解説
👥 読者の報告をもとに修正済み(2026-07-03)— ご指摘ありがとうございました
■ 正答:1番・4番

急性期後期(亜急性期)のうつ病患者に対する、作業療法導入期の対応を問う問題。この時期はまだエネルギーが乏しく、休養が最優先となる。作業は失敗の少ない軽いものを短時間で用い、励まし(激励)や精神論は避けるのが原則。正答は1・4(厚生労働省発表の正答も1・4)。


【各選択肢の解説】

1. 経験のない作業を勧める。
✅ 正しい。うつ病の導入期は、あえて経験のない(未経験の)作業から始めるのが鉄則。かつて得意だった・経験のある作業は「以前はできたのに今はできない」という発病前との比較を招き、自責感や自信の低下を強めるため避ける。利害のない未経験の軽作業ならその比較が起こらず取り組みやすい。回復に伴って、徐々に経験のある作業へ移していく。
2. 作業工程が複雑な作業を勧める。
❌ 誤り。複雑な工程は負担が大きく失敗しやすい。導入期は単純・短時間・完成しやすい作業を選ぶ。
3. 作業中に励ましの言葉をかける。
❌ 誤り。うつ病では励まし(頑張れ)=激励は禁忌。この時期は励まされても応えられず、「期待に応えられない自分」への自責をかえって強め、負担になる。声かけは受容的・支持的な傾聴にとどめる。
4. 休養が重要であることを説明する。
✅ 正しい。うつ病治療の土台は休養。導入期に休養の重要性を伝えるのは適切。
5. うつ症状は気持ちの持ちようであると伝える。
❌ 誤り。精神論的な説明は自責を強め、疾病理解(うつは気力の問題ではないという教育)を妨げるため不適切。

【試験対策ポイント】

うつ病の作業療法導入期は「休養優先/未経験の・単純で・短時間の作業/受容的な支持」が三本柱。経験のある作業は発病前との比較で自責を招くため後回しにし、励まし(激励)・精神論・複雑で高負荷な作業は禁忌、という定番の対比で覚える。選択肢3「励ましの言葉」は一見よさそうに見えるひっかけ——うつ病では叱咤激励がNGである点を必ず押さえること。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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