OTカコモン — 作業療法士国家試験 過去問・解説

第61回 作業療法士国家試験 午前 第7問

作業療法治療学第61回午前
30歳の女性。右上腕切断標準断端。上腕義手は差し込み式ソケット、8字ハーネス、複式コントロールケーブルシステム、随意開き式能動フックで構成されている。適合判定の際、肘90度屈曲位で手先具が完全には開かなかった。原因で最も考えられるのはどれか。\n1. フックのゴムが弱い。\n2. ケーブルハウジングが短すぎる。\n3. 残存肢の肩甲帯の筋力が低下している。\n4. 前腕支持部のトリミングが不良である。\n5. 切断肢の肩関節の回旋可動域に制限がある。
  1. 1. フックのゴムが弱い。
  2. 2. ケーブルハウジングが短すぎる。
  3. 3. 残存肢の肩甲帯の筋力が低下している。 ✓
  4. 4. 前腕支持部のトリミングが不良である。
  5. 5. 切断肢の肩関節の回旋可動域に制限がある。

正答:3番

解説
# 第61回 第A007問 解説 ■ 正答:3番 — 残存肢の肩甲帯の筋力が低下している 随意開き式能動フックは、**肩甲帯の伸展・外転(肩甲骨離開)動作**によってコントロールケーブルを引っ張り、フックを開く仕組みである。肘90度屈曲位では肘の屈曲によってケーブルに余裕が生まれるため、通常はフックが開きやすくなる。それでも完全に開かない原因として最も考えられるのは、**肩甲帯の筋力低下によりケーブルを十分に引けない**ことである。 --- 【各選択肢の解説】 1. フックのゴムが弱い。 ❌ 誤り。ゴムが弱いと随意「閉じ」が不十分になる問題が生じる。随意開き式フックではゴムの張力が開口を妨げる要因となるが、ゴムが弱ければむしろ開きやすくなる。 2. ケーブルハウジングが短すぎる。 ❌ 誤り。ケーブルハウジングが短すぎると肘屈曲時にケーブルに弛みが生じ、操作効率が落ちる場合があるが、主因としては肩甲帯筋力低下の方が直接的。 3. 残存肢の肩甲帯の筋力が低下している。 ✅ 正しい。能動義手操作の主動作筋は肩甲帯筋群(僧帽筋・前鋸筋など)。筋力低下があればケーブルを十分に引けず、フックが完全開口しない。 4. 前腕支持部のトリミングが不良である。 ❌ 誤り。上腕義手には前腕支持部は存在しない。これは前腕義手の問題点の文脈であり、本問には該当しない。 5. 切断肢の肩関節の回旋可動域に制限がある。 ❌ 誤り。能動フックの開口は肩甲帯の前外転によるケーブル牽引で行われるため、肩関節内外旋の制限は直接の原因にはなりにくい。 --- 【試験対策ポイント】 能動義手の操作系は「**8字ハーネス+複式コントロールケーブルシステム**」が基本。**随意開き式**はゴムが閉じる力→ケーブルで開く仕組み。操作の主体は**肩甲帯の屈曲・外転・挙上**。適合判定では「肘0度・90度・最大屈曲位」それぞれでの開口量を確認する。肘屈曲でケーブルに余裕が出るため、肘90度位でも開かない場合は**筋力不足**を疑う。 ---
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