第61回 作業療法士国家試験 午前 第13問
作業療法治療学第61回午前
72歳の女性。右利き。左被殻出血後6週が経過した。現在、回復期リハビリテーション病棟に入院中である。Brunnstrom法ステージは右上肢Ⅲ、手指Ⅱ、下肢Ⅳであり、座位保持は自立している。言語理解と発語に問題はない。食事動作はFIMで6、更衣(上半身)は3であった。興味関心チェックシートでは「料理」や「園芸」への関心が示されていた。作業療法で最も適切なのはどれか。\n1. 集団活動を導入する。\n2. 利き手交換訓練を行う。\n3. 上肢の機能回復を優先する。\n4. 食事動作訓練を積極的に行う。\n5. 園芸は退院後の課題と位置づける。
- 1. 集団活動を導入する。
- 2. 利き手交換訓練を行う。 ✓
- 3. 上肢の機能回復を優先する。
- 4. 食事動作訓練を積極的に行う。
- 5. 園芸は退院後の課題と位置づける。
正答:2番
解説
# 第61回 第A013問 解説
■ 正答:2番 — 利き手交換訓練を行う
右利きで右上肢BrSⅢ(共同運動レベル)・手指Ⅱ(随意運動なし)であり、利き手(右手)の回復が著しく制限されている。FIM食事6(修正自立)・更衣FIM3(中等度介助)の状況で、**利き手交換(左手でのADL訓練)**を行うことで自立度向上が最も期待できる。
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【各選択肢の解説】
1. 集団活動を導入する。
❌ 誤り。集団活動の有益性はあるが、現時点で更衣FIM3という低い自立度の改善が最優先課題であり、最も適切とはいえない。
2. 利き手交換訓練を行う。
✅ 正しい。右上肢Ⅲ・手指Ⅱでは精緻な動作の回復は期待薄。左手による書字・食事・更衣などのADL獲得が実用的な自立度向上に直結する。回復期入院中という時期からも積極的な利き手交換が適切。
3. 上肢の機能回復を優先する。
❌ 誤り。右上肢Ⅲ・手指Ⅱは重度麻痺であり、機能回復だけに注力しても実用的な改善が得られにくい。機能回復と並行してADL獲得を目指す必要がある。
4. 食事動作訓練を積極的に行う。
❌ 誤り。食事FIM6(修正自立)はすでに高い水準であり、更衣FIM3の改善が優先される。
5. 園芸は退院後の課題と位置づける。
❌ 誤り。興味関心チェックシートで「料理・園芸」への関心が示されており、これをOTの目標・動機づけに活用することが推奨される。退院後に先送りするのは不適切。
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【試験対策ポイント】
**利き手交換訓練の適応**は「利き手(麻痺側)の機能回復が十分に見込めない場合」。BrSで上肢Ⅲ・手指Ⅱ程度では通常、実用的な巧緻動作の回復は困難とされる。FIMの点数と回復期入院という**時期的背景**も踏まえた判断が重要。「興味・関心をOTに活用する」という視点も国試で繰り返し出題される。
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