第61回 作業療法士国家試験 午前 第16問
人間発達学第61回午前
小学3年生の男児。知能検査では全般的な知的発達に遅れは認めない。1年生のころから読み書きに強い困難を抱えている。文章を読む際に流暢に正しく読むことが難しく、音読が極端に遅い。漢字の書き取りも苦手で、黒板の文字の書き写しに時間がかかる。保護者は「家では普通に会話もでき、計算などは問題ない」と話している。この患児の障害で最も考えられるのはどれか。\n1. 素行症〈素行障害〉\n2. 反抗挑発症〈反抗挑戦性障害〉\n3. 限局性学習症〈限局性学習障害〉\n4. 脱抑制型対人交流症〈脱抑制性愛着障害〉\n5. 反応性アタッチメント症〈反応性愛着障害〉
- 1. 素行症〈素行障害〉
- 2. 反抗挑発症〈反抗挑戦性障害〉
- 3. 限局性学習症〈限局性学習障害〉 ✓
- 4. 脱抑制型対人交流症〈脱抑制性愛着障害〉
- 5. 反応性アタッチメント症〈反応性愛着障害〉
正答:3番
解説
# 第61回 第A016問 解説
■ 正答:3番 — 限局性学習症〈限局性学習障害〉
知的発達に遅れがなく、特定の学習領域(読み・書き)に限定した困難を示す。会話・計算には問題がない。これは**限局性学習症(SLD)の読字障害(ディスレクシア)**の典型像である。
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【各選択肢の解説】
1. 素行症〈素行障害〉
❌ 誤り。素行障害は他者への攻撃・規則違反など行動上の問題が特徴。学習困難とは直接関係しない。
2. 反抗挑発症〈反抗挑戦性障害〉
❌ 誤り。反抗・拒否・敵意が特徴の行動障害。読み書きの困難とは別問題。
3. 限局性学習症〈限局性学習障害〉
✅ 正しい。知的発達は正常範囲で、読字・書字・算数の特定領域のみに困難が限局する神経発達症。本症例は読み書きの困難のみで会話・計算は問題ないため典型例。
4. 脱抑制型対人交流症〈脱抑制性愛着障害〉
❌ 誤り。愛着形成の問題から生じる対人交流の障害。学習困難を主症状としない。
5. 反応性アタッチメント症〈反応性愛着障害〉
❌ 誤り。不適切な養育環境による愛着の問題。読み書き困難とは直接関係しない。
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【試験対策ポイント】
**限局性学習症の3サブタイプ**:
- **読字障害(ディスレクシア)**:音読困難・読み間違い・遅い読み
- **書字障害(ディスグラフィア)**:書き取り困難・誤字
- **算数障害(ディスカリキュリア)**:計算・数概念の困難
**ディスレクシアの特徴**:知的発達は正常、会話・数処理は問題ない、音韻処理の困難が基盤。ASD・ADHDとの合併も多い。本問では「計算は問題ない」という保護者の訴えが読字障害への絞り込みの鍵。
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