OTカコモン作業療法士国家試験 過去問・解説

第61回 作業療法士国家試験 午前 第17問

作業療法治療学第61回午前

第61回 作業療法士国家試験 午前 第17問(作業療法治療学)の正答は 4 です。質問ができない・一方的に話すなどのコミュニケーション上の問題が就労継続の障壁となっている。

問題
27歳の男性。統合失調症。大学卒業後、アルバイト経験はあるが、短期間での離職を繰り返している。最近、主治医の指示で精神科デイケアに通所し、就労に向けて準備を進めることになった。デイケアでは、作業に関する質問ができず、一方的に他患に話すなどの様子が見られた。この患者に行うプログラムで最も適切なのはどれか。
  1. 1. ACT
  2. 2. IPS
  3. 3. NEAR
  4. 4. SST
  5. 5. TEACCH

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — SST

質問ができない・一方的に話すなどのコミュニケーション上の問題が就労継続の障壁となっている。これは社会技能(ソーシャルスキル)の問題であり、SSTによる対人コミュニケーション訓練が最も適切。


【各選択肢の解説】

1. ACT(包括型地域生活支援)
❌ 誤り。ACTは重篤な精神障害者が地域で生活できるよう、多職種チームが24時間アウトリーチ支援するプログラム。就労準備中のデイケア通所レベルには適応が異なる。
2. IPS(個別就労支援)
❌ 誤り。IPSはroofsを「まず就労してから支援する」Evidence-based Supported Employmentの手法。デイケアで準備中の段階・コミュニケーション問題の改善が先決であり、現時点では時期尚早。
3. NEAR(認知矯正療法)
❌ 誤り。NEARは認知機能(注意・記憶・遂行機能)の改善を目的とする。本症例の問題はコミュニケーションスキルであり、認知機能障害が主訴ではない。
4. SST(社会生活技能訓練)
✅ 正しい。SSTは対人場面でのコミュニケーション技術を、ロールプレイを通じて習得する方法。「質問できない・一方的に話す」というソーシャルスキルの問題に直接対応できる。
5. TEACCH
❌ 誤り。TEACCHは主に自閉スペクトラム症(ASD)に対する構造化支援プログラム。統合失調症患者のコミュニケーション訓練には通常用いない。

【試験対策ポイント】

精神科リハビリプログラムの使い分け:

プログラム主な対象・目的
SST対人コミュニケーションスキルの習得
NEAR認知機能(注意・記憶)の改善
IPS個別就労支援(早期就職)
ACT重篤例への地域生活支援
TEACCHASD向け構造化支援

SSTは統合失調症の社会復帰において最も頻用されるプログラムであり、国試でも繰り返し出題される。


✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、作業療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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