第61回 作業療法士国家試験 午前 第18問
作業療法治療学第61回午前
16歳の女子。中学時にダイエットに成功し周囲に認められたと感じた。その後、進路相談で高い目標設定をして過食嘔吐が増強した。志望校に入学後、るいそうが進行して5月に校内で倒れ、救急搬送された。入院1か月後に身体状態が改善し、作業療法が開始された。作業療法で「気分転換したい」「過食嘔吐をなくしたい」と希望した。導入時の作業療法のプログラムで最も適切なのはどれか。\n1. 院外をウォーキングする。\n2. 集団作業療法から導入する。\n3. 完成作品の改善点を話し合う。\n4. 食品の正しい知識を勉強する。\n5. アイロンビーズでコースターを作成する。
- 1. 院外をウォーキングする。
- 2. 集団作業療法から導入する。
- 3. 完成作品の改善点を話し合う。
- 4. 食品の正しい知識を勉強する。
- 5. アイロンビーズでコースターを作成する。 ✓
正答:5番
解説
# 第61回 第A018問 解説
■ 正答:5番 — アイロンビーズでコースターを作成する
神経性やせ症(拒食症)の回復期における作業療法導入の原則は「**身体への負荷が少なく、達成感が得られ、コントロール欲求を満たせる細かい手作業**」。アイロンビーズによるコースター作りは軽作業でカロリー消費が少なく、完成による達成感が得られ、患者の「気分転換したい」という希望にも沿う。
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【各選択肢の解説】
1. 院外をウォーキングする。
❌ 誤り。るいそうが進行した身体状態が「改善した」直後の段階で院外歩行は、体重管理・身体状態的に過負荷の可能性があり不適切。摂食障害では運動過多への対応も重要。
2. 集団作業療法から導入する。
❌ 誤り。摂食障害の導入期は個別対応から開始し、信頼関係構築を優先する。集団での比較・競争が症状悪化のリスクになる場合がある。
3. 完成作品の改善点を話し合う。
❌ 誤り。摂食障害患者は完璧主義・自己批判が強いことが多く、改善点の指摘はさらなる自己否定・症状悪化のリスクとなる。
4. 食品の正しい知識を勉強する。
❌ 誤り。食に関する心理教育は治療の一環だが、入院直後のOT導入時には不適切。食品への強いこだわりを刺激しかねない。
5. アイロンビーズでコースターを作成する。
✅ 正しい。軽度の身体負荷・達成感・集中による気分転換、完成した作品への自己効力感が得られる。摂食障害のOT導入として適切な選択。
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【試験対策ポイント】
摂食障害のOT導入原則:
1. **身体への負荷が少ない**(カロリー消費の少ない座位作業)
2. **達成感が得られる**(短時間で完成する作業)
3. **完璧主義への配慮**(改善点指摘は避ける)
4. **導入期は個別対応**
OT場面で「運動を避ける」「食事・カロリーに直接関連する話題を避ける」「完璧主義に乗じない」の3点を意識すること。
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