第61回 作業療法士国家試験 午後 第2問
作業療法治療学第61回午後
65歳の男性。右利き。右頭頂葉の脳梗塞による片麻痺。MMSE 19/30点。Brunnstrom法ステージは上肢・手指、下肢ともにⅢ。回復期リハビリテーション病棟で作業療法が開始された。検査結果(別冊No. 1)を別に示す。この患者が作業療法を開始したときに観察されるのはどれか。\n1. 皿の右側の食物を残す。\n2. 左側からが起き上がりやすい。\n3. 車椅子駆動の際に左側によくぶつかる。\n4. 介助者が左側から誘導すると反応が良い。\n5. 作業療法室で人が多いと左側へ注意がそれる。
- 1. 皿の右側の食物を残す。
- 2. 左側からが起き上がりやすい。
- 3. 車椅子駆動の際に左側によくぶつかる。 ✓
- 4. 介助者が左側から誘導すると反応が良い。
- 5. 作業療法室で人が多いと左側へ注意がそれる。
正答:3番
解説
# 第61回 第B002問 解説
■ 正答:3番 — 車椅子駆動の際に左側によくぶつかる
別冊の検査結果(BIT通常検査)を見ると、線分抹消14/36・文字抹消3/40・星印抹消12/54・模写1/4・線分二等分2/9・描画0/3、合計32/146と、著明な低得点を示している。これは**右頭頂葉損傷による左半側空間無視(USN)**の典型的な検査結果であり、右利きで右頭頂葉病変のため**左側の空間を認識できない**状態を示す。
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【各選択肢の解説】
1. 皿の右側の食物を残す。
❌ 誤り。左半側空間無視では**左側**の食物を残す。右側は認識できているため、右側を残すことはない。
2. 左側からが起き上がりやすい。
❌ 誤り。左半側空間無視では左側への注意が向かないため、左側からの動作は困難になりやすい。右側からの起き上がりが容易。
3. 車椅子駆動の際に左側によくぶつかる。
✅ 正しい。左半側空間無視により左空間を認識できないため、左側の障害物・壁などに気づかずぶつかる行動が出現する。最も典型的な観察所見である。
4. 介助者が左側から誘導すると反応が良い。
❌ 誤り。左半側空間無視では左側からの刺激への反応が乏しくなる。左側からの誘導には反応しにくい。
5. 作業療法室で人が多いと左側へ注意がそれる。
❌ 誤り。左半側空間無視では右側への注意偏倚が起こり、左側への注意は向きにくい。
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【試験対策ポイント】
**BITの判定基準**:通常検査の合計が**146点満点中131点未満**で左半側空間無視と判定。本症例は32点であり重度の無視を示す。右頭頂葉損傷→**左半側空間無視**、左頭頂葉損傷→右半側空間無視(稀)という対側関係を確認。無視の観察所見は「左側の食物を残す」「左側にぶつかる」「左側の人に気づかない」が三大ポイント。
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