第61回 作業療法士国家試験 午後 第4問
作業療法評価学第61回午後
45歳の男性。交通事故による外傷性脳損傷で入院中である。運動麻痺はないが、会話中の内容が急に変わったり、段取り良く片付けができない。作業療法士が高次脳機能障害の有無や程度を把握するために初期に行う評価で最も適切なのはどれか。\n1. BIT\n2. CAS\n3. BADS\n4. SLTA\n5. HDS-R
- 1. BIT
- 2. CAS
- 3. BADS ✓
- 4. SLTA
- 5. HDS-R
正答:3番
解説
# 第61回 第B004問 解説
■ 正答:3番 — BADS
「会話の内容が急に変わる」「段取り良く片付けができない」という症状は**遂行機能障害**を示唆している。外傷性脳損傷の初期評価では高次脳機能障害の全体像を把握する必要があり、遂行機能を含む日常生活場面での実行能力を評価するBADS(Behavioural Assessment of the Dysexecutive Syndrome)が最も適切。
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【各選択肢の解説】
1. BIT
❌ 誤り。BITは半側空間無視の評価ツール。遂行機能障害の主訴には適応しない。
2. CAS
❌ 誤り。CAS(Clinical Assessment for Attention)は注意障害の評価。注意障害が疑われる場合に適するが、遂行機能障害の全体把握には不十分。
3. BADS
✅ 正しい。BADSは遂行機能障害(前頭葉機能)を日常的課題で評価するバッテリー。規則変換カードテスト・動物園地図テスト・修正六要素テストなどで構成され、計画立案・問題解決・認知的柔軟性を包括的に評価できる。
4. SLTA
❌ 誤り。SLTAは失語症の評価ツール。言語機能の問題が主訴でない本症例には優先されない。
5. HDS-R
❌ 誤り。HDS-Rは認知症スクリーニング。外傷性脳損傷後の高次脳機能障害(特に遂行機能)の詳細評価には不十分。
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【試験対策ポイント】
高次脳機能評価の使い分け:
| 評価法 | 主な対象 |
|--------|---------|
| **BADS** | **遂行機能障害** |
| BIT | 半側空間無視 |
| CAS | 注意障害 |
| SLTA | 失語症 |
| RBMT | 記憶障害 |
| HDS-R / MMSE | 認知症スクリーニング |
「段取りが悪い・計画が立てられない→**遂行機能障害→BADS**」の流れを押さえる。
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