第61回 作業療法士国家試験 午後 第7問
作業療法治療学第61回午後
65歳の女性。台所の段差でつまずき転倒し、左大腿骨近位部骨折。後方進入法にて人工骨頭置換術を施行し、自宅退院に向けて作業療法を開始した。この患者のADL指導の内容で適切なのはどれか。\n1. 靴下を履く。\n2. 足の爪を切る。\n3. 階段を上がる。\n4. 杖を使用する。\n5. 床の物を拾う。
- 1. 靴下を履く。
- 2. 足の爪を切る。
- 3. 階段を上がる。
- 4. 杖を使用する。 ✓
- 5. 床の物を拾う。
正答:4番
解説
# 第61回 第B007問 解説
■ 正答:4番 — 杖を使用する
後方進入法の人工骨頭置換術後は、**股関節の屈曲・内転・内旋の複合動作(後方脱臼肢位)を避ける**ことが最重要の脱臼予防原則。図を見ると、1(靴下を履く)・2(爪を切る)・5(床の物を拾う)はいずれも股関節屈曲が90度以上になる動作、3(階段を上がる)は一見適切に見えるが手すりへの依存肢位が問題になる場合があり、4(杖使用)のみが脱臼リスクを伴わない安全な動作指導である。
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【各選択肢の解説】
1. 靴下を履く。
❌ 誤り。図1では前屈みで膝上から足先へ手を伸ばす動作が示されており、股関節屈曲90度超・内旋が生じ、後方脱臼のリスクが高い。
2. 足の爪を切る。
❌ 誤り。図2では床に座り込んで足部を抱え込む体位が示されており、股関節屈曲・内旋の複合動作となり脱臼肢位になる。
3. 階段を上がる。
❌ 誤り。階段昇降自体は禁忌ではないが、図3では体幹前傾・手すりにつかまる体位が示されており、術後初期の段階では推奨しない指導内容となりうる。また問題の文脈では「ADL指導で適切なもの」を選ぶため、脱臼リスクのある動作を除外する。
4. 杖を使用する。
✅ 正しい。図4では杖を使用した安定した立位歩行が示されている。杖使用は術後の荷重管理・転倒予防のために推奨されるADL指導内容であり、脱臼リスクとは無関係に安全な指導項目。
5. 床の物を拾う。
❌ 誤り。図5では前屈みで床の物を拾う動作が示されており、股関節屈曲90度超となり脱臼リスクが高い。リーチャーや長柄の道具使用が推奨される。
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【試験対策ポイント】
後方進入法THA・人工骨頭置換術後の**禁忌肢位(後方脱臼)**:
- 股関節屈曲90度超
- 股関節内旋
- 股関節内転(患側下肢を健側より内側に持ってくる)
**「靴下・爪切り・床の物拾い→前屈み禁忌」**は必須知識。前方進入法では内旋ではなく外旋が禁忌肢位となる点も区別して覚える。
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