第61回 作業療法士国家試験 午後 第16問
作業療法治療学第61回午後
21歳の女性。統合失調症。「誰かに監視されている」と言い、近隣でのトラブルが続いたため精神科に入院となった。入院後、症状は軽減したが、無為の状態が続いており、入院3週目に作業療法が開始された。作業活動中に、「いつも誰かに見られているから、作業活動をやめたい」と申し出た。作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。\n1. 活動種目を変更する。\n2. 作業療法の参加を中止する。\n3. 作業活動に集中するように声をかける。\n4. 主治医へ報告するために訴えを詳細に聴く。\n5. 「見られている」のは勘違いであることを指摘する。
- 1. 活動種目を変更する。
- 2. 作業療法の参加を中止する。
- 3. 作業活動に集中するように声をかける。
- 4. 主治医へ報告するために訴えを詳細に聴く。 ✓
- 5. 「見られている」のは勘違いであることを指摘する。
正答:4番
解説
# 第61回 第B016問 解説
■ 正答:4番 — 主治医へ報告するために訴えを詳細に聴く
入院3週目・症状軽減中の患者が「誰かに見られている」という陽性症状の訴えを作業活動中に示した。この訴えは**精神症状の再燃・変化のサイン**である可能性があり、OTとして最初にすべきことは訴えを傾聴し、主治医に情報提供するために詳細を把握することである。
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【各選択肢の解説】
1. 活動種目を変更する。
❌ 誤り。種目変更だけでは症状への対処にならない。症状の変化を把握・報告することが優先。
2. 作業療法の参加を中止する。
❌ 誤り。参加中止の判断は主治医が行うべきであり、OT単独で即中止するのは不適切。
3. 作業活動に集中するように声をかける。
❌ 誤り。精神症状の訴えを否定・無視する対応であり、患者との治療関係を損なう。
4. 主治医へ報告するために訴えを詳細に聴く。
✅ 正しい。OTは症状の変化を把握し、主治医・多職種チームに情報提供する役割を担う。まず訴えを傾聴し、内容を詳細に把握して医師へ報告することが最優先。
5. 「見られている」のは勘違いであることを指摘する。
❌ 誤り。妄想・幻覚の訂正(否定)は症状の悪化・不信感につながる禁忌対応。「あなたの感じ方は間違い」という対応は治療的ではない。
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【試験対策ポイント】
精神科OTにおける陽性症状への対応原則:
1. **訴えを傾聴する**(否定しない)
2. **主治医・多職種へ報告**(情報共有)
3. 否定・訂正はしない(「それは妄想です」は禁忌)
4. 参加可否の最終判断は医師が行う
「妄想・幻覚の訴え→傾聴→主治医報告」という流れは精神科OT問題の基本対応として覚える。
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