第61回 作業療法士国家試験 午後 第18問
作業療法治療学第61回午後
7歳の男児。学校ではじっと座って授業を受けることが苦手で、授業中に立ち上がったり、他児に話しかけたりすることが多い。教科書や提出物の忘れ物も多い。気に入らないことがあると、すぐに感情的になり暴れる行動があり、他児とトラブルを繰り返している。母親に付き添われて精神科を受診し、外来作業療法が開始された。この男児への対応で適切なのはどれか。\n1. 言語的な介入を中心に行う。\n2. 集団活動には参加させない。\n3. 適切な行動ができたら賞賛する。\n4. 保護者の関わりを最小限にする。\n5. 作業手順は一度に説明するようにする。
- 1. 言語的な介入を中心に行う。
- 2. 集団活動には参加させない。
- 3. 適切な行動ができたら賞賛する。 ✓
- 4. 保護者の関わりを最小限にする。
- 5. 作業手順は一度に説明するようにする。
正答:3番
解説
# 第61回 第B018問 解説
■ 正答:3番 — 適切な行動ができたら賞賛する
7歳・授業中の立ち歩き・忘れ物・感情的な暴れなどの症状からADHD(注意欠如多動症)が示唆される。ADHDへの行動療法的アプローチの基本は**正の強化(適切な行動をしたときに賞賛・報酬を与える)**であり、問題行動の消去より適切行動の強化を優先する。
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【各選択肢の解説】
1. 言語的な介入を中心に行う。
❌ 誤り。ADHDの子どもは長い口頭説明の理解・保持が苦手。視覚的手がかりや構造化が有効であり、言語介入中心は不適切。
2. 集団活動には参加させない。
❌ 誤り。社会性の発達・集団ルールの習得のために集団活動への参加は重要。ただし構造化された少人数グループが望ましい。
3. 適切な行動ができたら賞賛する。
✅ 正しい。正の強化(適切行動の直後の賞賛)はADHDへの行動療法の基本。問題行動の指摘より適切行動の強化を優先する。
4. 保護者の関わりを最小限にする。
❌ 誤り。保護者への心理教育・ペアレントトレーニングはADHD治療の重要な柱。保護者の関与を減らすのは誤り。
5. 作業手順は一度に説明するようにする。
❌ 誤り。ADHDでは注意・ワーキングメモリーの問題から一度に多くの指示を理解・保持することが難しい。**一度に一つずつの指示(ステップごとの説明)**が基本。
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【試験対策ポイント】
ADHDへのOT対応の原則:
1. **正の強化(適切行動の即時賞賛)**
2. 構造化された環境(視覚的スケジュール・ルーティン)
3. 指示は短く・一つずつ・具体的に
4. ペアレントトレーニングの実施
5. 感覚統合療法も有効とされる
「できたことを褒める→正の強化→**ADHDへの行動療法の基本**」を押さえる。
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