第61回 作業療法士国家試験 午後 第19問
臨床医学第61回午後
80歳の女性。2年前から物忘れが目立つようになった。徐々に睡眠中に大きな声を出したり、手足をばたつかせたりすることが多くなった。最近になって動作が緩慢になっている。1か月前から「知らない人が家の中にいる」と言うようになり、家族に連れられて精神科を受診した。この女性と家族への指導で適切なのはどれか。\n1. 運動を控えるように説明する。\n2. やったことがない趣味に取り組む。\n3. 立ち上がり時のふらつきに注意する。\n4. 日付や時刻を気にしないようにする。\n5. 知らない人が誰なのか何度も話し合う。
- 1. 運動を控えるように説明する。
- 2. やったことがない趣味に取り組む。
- 3. 立ち上がり時のふらつきに注意する。 ✓
- 4. 日付や時刻を気にしないようにする。
- 5. 知らない人が誰なのか何度も話し合う。
正答:3番
解説
# 第61回 第B019問 解説
■ 正答:3番 — 立ち上がり時のふらつきに注意する
「物忘れ・睡眠中の異常行動(レム睡眠行動障害)・動作緩慢・幻視」という4症状の組み合わせは**レビー小体型認知症(DLB)**の典型像である。DLBでは**自律神経障害による起立性低血圧**が生じやすく、立ち上がり時のふらつき・転倒リスクが高いため、この点への指導が最も適切。
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【各選択肢の解説】
1. 運動を控えるように説明する。
❌ 誤り。過度な安静はDLBの廃用・認知機能低下を促進する。適度な運動の継続が推奨される。
2. やったことがない趣味に取り組む。
❌ 誤り。認知症患者には馴染みある活動・得意な活動の維持が推奨される。新しい趣味への挑戦は認知的負荷が高すぎる場合がある。
3. 立ち上がり時のふらつきに注意する。
✅ 正しい。DLBの自律神経障害(起立性低血圧)により、臥位・座位からの立ち上がり時にふらつき・失神が生じやすい。転倒予防のための指導として最も重要。
4. 日付や時刻を気にしないようにする。
❌ 誤り。見当識への意識は現実見当識訓練(RO)として有効であり、意識させないようにするのは誤り。
5. 知らない人が誰なのか何度も話し合う。
❌ 誤り。幻視(知らない人が見える)を繰り返し話し合うことは、本人に苦痛を与える可能性がある。幻視への対応は否定せず受け流す対応が基本。
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【試験対策ポイント】
レビー小体型認知症の4大症状(McKeith基準):
1. **認知機能の変動**(日によって良悪の差が大きい)
2. **幻視**(ありありとした具体的な人・動物の幻視)
3. **パーキンソニズム**(動作緩慢・固縮)
4. **レム睡眠行動障害**(睡眠中の大声・手足の動き)
「DLB→起立性低血圧→立ち上がり時転倒注意」は重要な生活指導ポイント。
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