第5章|認知・心理・発達・職業の評価
作業療法評価学 第5章
5-1 認知・神経心理検査
| 検査 | 主に測るもの | メモ |
| MMSE | 全般的認知機能(スクリーニング) | 30点満点。遅延再生あり。図形模写・書字を含む |
| HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール) | 全般的認知機能 | 30点満点。遅延再生あり。動作性課題(図形模写)は無い |
| RBMT(リバーミード行動記憶検査) | 日常記憶 | 遅延再生あり |
| RAVLT(Rey聴覚性言語学習検査) | 言語性記憶 | 遅延再生あり |
| Rey-Osterrieth複雑図形 | 視覚構成・視覚性記憶 | 複雑な図形を模写し、のちに再生 |
| RCPM(レーヴン色彩マトリックス検査) | 推理能力(非言語性知能) | 遅延再生は無い |
| Kohs立方体組み合わせテスト | 非言語性知能・構成能力 | — |
| WCST(ウィスコンシンカード分類検査) | 遂行機能(概念の転換) | 前頭葉機能 |
| BADS | 遂行機能(日常場面に近い課題) | — |
| TMT(Trail Making Test) | 注意(選択・転換) | — |
| SPTA(標準高次動作性検査) | 失行 | — |
| BIT(行動性無視検査) | 半側空間無視 | — |
| MMPI | 人格(性格) | 質問紙法 |
| POMS | 気分(一時的な感情状態) | 質問紙法 |
「遅延再生を含まない」はRCPM、「非言語性の知能検査」はKohsとRCPM、「遂行機能」はWCSTとBADS、と1行で引けるようにしておく。
5-2 知能・発達・小児の評価
知能検査
| 検査 | 対象年齢 | メモ |
| WPPSI | 幼児 | ウェクスラー式の幼児版 |
| WISC | 児童(5歳〜16歳台) | ウェクスラー式の児童版 |
| WAIS | 16歳以上の成人 | ウェクスラー式の成人版 |
| 田中ビネー知能検査 | 2歳〜成人 | 2〜13歳は精神年齢からIQ(比率IQ)を出す。14歳以上は精神年齢を出さず偏差IQで示す |
発達・小児のADL評価
| 検査 | 中身 |
| 新版K式発達検査 | 対象は0歳〜成人。姿勢・運動/認知・適応/言語・社会の3領域 |
| S-M社会生活能力検査 | 身辺自立・移動・作業・意志交換・集団参加・自己統制の6領域 |
| PEDI | 小児の能力低下の評価。セルフケア・移動・社会的機能の3領域で、機能的スキル・介護者による援助(0〜5の6段階)・調整(補助具など)を見る。基準値標準スコアと尺度化スコアを出す。対象はおおむね6か月〜7歳半 |
| WeeFIM | 小児版FIM。18項目・7段階(18〜126点)。対象はおおむね6か月〜7歳。日常生活の直接観察または面接で採点 |
| GMFM | 脳性麻痺児の粗大運動能力 |
| CARS | 自閉症の評定尺度 |
| DAM(グッドイナフ人物画知能検査) | 人物画による知能の評価 |
原始反射
| 反射 | 誘発と反応 | 消える時期の目安 |
| 探索反射(ルーティング反射) | 口角・頬に触れるとそちらへ顔を向け口を開く。空腹時に出やすく、満腹時には出にくい | 出生時からあり、生後4〜6か月ごろまで |
| 吸啜反射 | 口に入れた物を吸う | 生後4〜6か月ごろまで |
| 手掌把握反射 | 手掌を圧迫すると握る | 生後4〜6か月ごろまで |
| Moro反射 | 頭部を急に落とすと上肢を伸展・外転し、続いて抱きつくように屈曲 | 生後4〜6か月ごろまで |
| 非対称性緊張性頸反射(ATNR) | 顔を向けた側の上下肢が伸展、後頭側が屈曲 | 生後4〜6か月ごろまで |
| 足底把握反射 | 母趾球を圧迫すると足趾が屈曲 | 1歳前後(独歩のころ)まで |
原始反射は生涯続くものではない。消える時期を過ぎても残る、または一度消えてから再び出る場合は中枢神経の障害を疑う。
二分脊椎のSharrard分類
麻痺レベルによる群分けで、移動手段の見通しを立てる。Ⅲ群は膝伸展が可能で、短下肢装具+杖での歩行が目標になる群。群の番号が小さい(Ⅰ群に近い=麻痺レベルが高い)ほど長い装具・車椅子が必要になる。
5-3 職業関連の評価と就労支援
職業評価の検査
| 検査 | 中身 |
| GATB(厚生労働省編一般職業適性検査) | 9つの適性能=G 知的能力・V 言語能力・N 数理能力・Q 書記的知覚・S 空間判断力・P 形態知覚・K 運動共応・F 指先の器用さ・M 手腕の器用さ。対人関係・興味は測らない |
| マイクロタワー法 | 実際の仕事に似た作業を行うワークサンプル法(13の作業) |
| VPI職業興味検査 | 職業への興味 |
| 職業レディネス・テスト | 職業への興味と自信(基礎的志向性) |
| MODAPTS | 動作の時間を分析する作業測定法 |
障害に合わせた就労上の補助手段
| 障害 | 補助手段の例 |
| 記憶障害 | 録音再生機(ICレコーダー)・メモ・スケジュール表 |
| 聴覚障害 | 磁気ループ(補聴器への送信)・筆談・文字表示 |
| 視覚障害 | 拡大読書器・画面読み上げ |
就労支援の仕組み
| 仕組み | 要点 |
| IPS(個別就労支援) | 訓練を先にせずまず就職してから職場で支援(place-then-train)。障害の重さで対象を絞らない。本人の希望を重視。医療・生活支援と連携。就職後も継続支援 |
| 就労定着支援(障害者総合支援法) | 一般就労へ移行し6か月を経過した人が対象。利用は最長3年 |
5-4 精神科領域の評価尺度
| 評価法 | 方法 | 中身 |
| LASMI(精神障害者社会生活評価尺度) | 観察・面接 | D 日常生活・I 対人関係・W 労働または課題の遂行・E 持続性・安定性・R 自己認識の5領域。結果はレーダーチャートで示す |
| Rehab(精神科リハビリテーション行動評価尺度) | 病棟などでの行動観察 | 逸脱行動と全般的行動 |
| BPRS(簡易精神症状評価尺度) | 面接 | 精神症状の重症度 |
| GAF(機能の全体的評定尺度) | 評定者が判定 | 心理的・社会的・職業的機能を1つの数値(最高100)で表す。高いほど良好 |
| AIMS | 観察 | 遅発性ジスキネジア(4-2) |
「行動観察で評価する」はRehab、「面接で症状を評価する」はBPRS。LASMIの領域記号(D・I・W・E・R)は組合せ問題で直接問われる。