| 正しい | 誤り(よく出るひっかけ) |
|---|---|
| 医学的に安定していれば早期離床で廃用症候群を予防する | 点滴が抜けるまで開始しない |
| ベッド上でも整容・食事などのADL訓練を行う | ベッド上のADL訓練は禁忌 |
| 弛緩性麻痺でも関節可動域訓練(拘縮予防)を行う | 弛緩性麻痺なら可動域訓練は不要 |
| 生活歴・職業歴・家族状況を急性期から集める | 生活歴の情報収集は不要 |
重度麻痺で動かない下肢に浮腫があり、Dダイマー高値なら、まず深部静脈血栓症を考える。自発痛がなくても否定できない。心不全は両側性浮腫と呼吸・バイタルの異常、蜂窩織炎は発赤・熱感・疼痛、肩手症候群は上肢の疼痛・腫脹で、それぞれ区別する。
DVTが疑われる下肢は、確認されるまでマッサージや強い運動を加えない(血栓が飛ぶと肺塞栓症)。医師に報告する。
| 軸 | 進め方 |
|---|---|
| 運動の大きさ | 粗大運動→巧緻運動 |
| 速度 | 遅い→速い |
| 課題の難しさ | 単純→複雑 |
| 運動パターン | 共同運動→分離運動 |
選択肢は逆向き(巧緻→粗大、速い→遅い、分離→共同)にして誤りを作る。
共同運動は出るが分離運動はまだ。次の段階(Ⅳ)のテスト動作の要素を含む課題で、共同運動から少し外れた運動を促す。
ステージⅢに対して、ペグ差し・書字(手指の巧緻性)、立位での輪投げ、ボールの受け取り、肘伸展位での頭上の拭き動作(Ⅴ相当)は難しすぎる。手を口元へ運ぶ・反対側の大腿へ運ぶ動作は共同運動そのもので、Ⅳを目指す課題にならない。
机上のワイピング(手を布に乗せて前方へ滑らせる)は、上肢Ⅳでの肘伸展(分離運動)の促通に使う(2-3参照)。あわせて肩甲帯の前方突出も促す。握力や手指巧緻性の訓練ではない。
非麻痺側上肢を拘束し、麻痺側上肢を強制的に使用させる訓練。脳卒中治療ガイドライン2021では軽度から中等度の上肢麻痺に対して強く勧められている(推奨グレードA)。手指の随意伸展が乏しい重度麻痺(手指Ⅲ以下)はよい適応ではない。効果判定にはMAL(麻痺手の使用頻度・質)を用いる。
| 上肢・手指 | 麻痺手の役割 | 向く活動の例 | 難しい活動の例 |
|---|---|---|---|
| Ⅳ | 補助手(押さえる・添える) | 掃除機をかける(非麻痺手が主、麻痺手は添える)、テーブルの雑巾がけ、タオルたたみ、ループ付きタオルでの洗体 | 両手を頭上に挙げる動作(棚への収納・蛍光灯の交換)、背中で腰ひもを結ぶ、強い力の両手作業(網戸の取り外し)、手掌の上で豆腐を切る |
| Ⅴ | 実用的な補助手〜一部実用手 | 革細工・木工(麻痺手で固定)、陶芸(手掌で押す粗大操作)、ちぎり絵 | マクラメなど、左右の手で持続的に細かい張力調整が要る両手巧緻作業 |
| Ⅵ | 実用手に近い | 復職・趣味など生活場面での使用 | — |
判断の軸は「肩をどこまで挙げるか」と「指をどれだけ分けて使うか」。頭上の動作は上肢Ⅴ以上、両手の細かい結び作業は手指Ⅵ近くまで要る。
伸筋群に随意運動が出てきたら、机上で前方へ押し出す・滑らせるなど肘伸展を引き出す課題を使う。肩を高く挙げた位置での押し動作は肩・肘の分離がさらに要るので、段階を飛ばさない。
「発赤があれば可動域訓練は禁忌」「手指の可動域訓練は禁忌」「肩を安静に保つ」はいずれも誤り。動かさないと拘縮と痛みが固定する。手関節を固定装具で固める、亜脱臼を徒手整復する、も誤り。
| 場面 | 指導 | 理由 |
|---|---|---|
| 熱い湯呑・調理 | 非麻痺側の手で持つ | 麻痺側は熱傷に気づかない |
| 髭剃り | 電動カミソリ(T字カミソリは避ける) | 顔面の感覚脱失で切り傷に気づかない |
| 履物 | 脱げにくい靴(スリッパは避ける) | 足底感覚がなく脱げても気づかず転倒 |
| 車椅子駆動 | 非麻痺側で駆動(両手駆動は勧めない) | 麻痺手をスポークやリムで傷つける |
| 麻痺手の使用 | 使用は控えさせず、目で確認しながら使う | 使わないと廃用が進む |
Wallenberg症候群(延髄外側症候群)は手足の麻痺がなくても重い嚥下障害が出る。咽頭収縮が悪い側(病巣側=患側)を食塊が通りにくい。
| 対応 | 内容 |
|---|---|
| 頸部回旋 | 病巣側(患側)へ首を回す→患側の梨状窩が狭まり、健側を食塊が通る |
| 姿勢 | 頸部は前屈位(顎を引く)。頸部伸展位は誤嚥を増やすので用いない |
| Shaker法(頭部挙上訓練) | 舌骨上筋群を鍛え、食道入口部の開大を助ける間接訓練 |
| Mendelsohn手技 | 喉頭挙上を意識的に保ち、食道入口部の開大時間を延ばす |
| バルーン拡張法 | 開きにくい食道入口部をバルーンで広げる |
Wallenberg症候群で「間接訓練は禁忌」「頸部の筋力訓練は禁忌」は誤り。唾液も飲み込めない段階でも間接訓練は行う。