| 項目 | 正しい理解 | よく出る誤りの肢 |
|---|---|---|
| 理論的基盤 | 認知行動療法・社会的学習理論(学習理論) | 精神分析理論に基づく |
| 目的 | 対人場面・生活場面の技能を練習し、ストレス対処技能を強化する(症状があっても生活できる力をつける) | 病識の獲得(=心理教育)、精神症状そのものの改善、自動思考の修正(=認知療法)、対人関係パターンの自己洞察(=精神分析的療法) |
| 方法 | 具体的な対人場面を設定し、構造化された手順で行う。主な要素=練習課題の設定、モデリング(手本を見る)、ロールプレイ(行動リハーサル)、正のフィードバック→改善点の提案(修正的フィードバック)、再練習、宿題(チャレンジ課題)。モデリングとロールプレイの順序や、モデリングを入れる場面は進め方で異なる(基本訓練モデルでは練習の後に必要に応じて手本を示す)が、モデリングは重要な技法で「最小限にとどめる」ものではない | ロールプレイは自由に行う、モデリングは最小限 |
| フィードバック | できた点を具体的にほめる正のフィードバックが中心。改善点はほめた後に「さらによくする点」として伝える | 批判・修正点の指摘が中心 |
| 相手役 | メンバー同士で行うのが基本 | 相手役はスタッフが優先して行う |
| 負荷 | ロールプレイやフィードバックで一定のストレスはかかる。だから安全な場と正のフィードバックが要る | ストレスのかからない技法 |
| モジュール | 服薬自己管理・症状自己管理などの課題別にパッケージ化された学習。初めての人にも使える | モジュールは経験を積んでから行う |
事例で「質問ができない」「一方的に話す」「人とうまくやりとりできない」=対人コミュニケーション技能の問題 ⇒ SST。同じ就労準備の事例でも「説明が途中で分からない・ミスが多い」なら認知機能(BACS/NEAR)、「周りが自分のことを言っている気がする」なら社会認知(SCIT)。
アルファベット略語の選択肢が並ぶ問題が非常に多い。何に焦点を当てるかと道具(パソコンか、グループか)で区別する。
| 略語 | 名称 | 焦点・特徴 |
|---|---|---|
| NEAR | Neuropsychological Educational Approach to Cognitive Remediation(神経心理学的・教育的認知矯正療法) | 神経認知機能(注意・記憶・処理速度・遂行機能)の改善。パソコン上の教育用ソフトウェア(ゲーム的課題)を使い、動機づけを重視 |
| SCIT | Social Cognition and Interaction Training(社会認知ならびに対人関係のトレーニング) | 社会認知(表情の認知・他者の意図の推測・原因帰属)。被害的な解釈・猜疑的な受け取り方の修正 |
| MCT | Metacognitive Training(メタ認知トレーニング) | 結論への飛躍などの認知の偏り(認知バイアス)への気づき。主にグループで実施 |
| SST | Social Skills Training(社会生活技能訓練) | 対人技能・生活技能(3-1) |
| CBT | Cognitive Behavioral Therapy(認知行動療法) | 認知と行動のパターンの修正。就労支援プログラムではない |
| IMR | Illness Management and Recovery(疾病管理とリカバリー) | 症状・再発の自己管理を学ぶ |
| WRAP | Wellness Recovery Action Plan(元気回復行動プラン) | 本人が自分で作る調子の維持・悪化時の行動計画(リカバリー) |
| IPS(Individual Placement and Support) | 個別就労支援(援助付き雇用) | 一般就労の支援(4-3) |
| Intentional Peer Support | 意図的なピアサポート | 当事者同士の支え合い(同じ略称IPSに注意) |
| ACT | Assertive Community Treatment(包括型地域生活支援) | 多職種の訪問支援(4-2)。デイケアのプログラム種目ではない |
| TEACCH | 自閉スペクトラム症の構造化による支援 | 統合失調症のプログラムではない |
| EMDR/曝露反応妨害法 | PTSD/強迫性障害の治療 | 統合失調症の昏迷には電気けいれん療法 |
事例の手がかり ⇒ プログラム:
「パソコン」「コンピューターゲーム」「教育用ソフトウェア」⇒NEAR
「同僚から嫌がらせを受けているという被害的な訴えが増えた」「周りの表情やしぐさを見て自分のことを言っている気がする」⇒SCIT
「注意・集中力の低下で仕事を覚えられず退職、でも一般就労したい」⇒認知機能の改善を目指したプログラム(就労をあきらめさせない・休息入院は不要・就労定着支援は就職後のサービス)
「EEが高い場合は患者との接触を増やす/対面接触時間を長くさせる」は誤り。人格を批判する、服薬を忘れたら厳しく叱責する(批判・敵意)、外出に毎回同行する(過干渉)、借金を無条件に返済する(過保護・依存の助長)はいずれも高EE側。
| 正しい | 誤り |
|---|---|
| 目標は家族の対処能力の向上(疾患の理解・対処法の習得・EEの低下) | 家族を精神疾患の原因と捉える |
| 再発防止効果に科学的根拠がある | 精神分析理論に基づく |
| 継続的に複数回行う | 単発での実施が一般的 |
| 情報提供と双方向の話し合い。家族を支援の協力者として位置づける | 治療者から家族への指示を重視する |
| 同居していない家族も対象になりうる | 同居家族のみが対象、専門家が家族の範囲を決める |
| — | 日常生活での家族の情緒的な巻き込まれを促す、EEを高める指導 |
本人の強み(性格・才能・希望・環境)を、日常生活・経済・仕事など7つの生活領域に分けて本人と一緒に確認・文章化し、本人の言葉で目標を立てる ⇒ ストレングスモデル(ストレングスアセスメント)。長期入院から退院してグループホームへ、という事例で繰り返し出る。
| モデル | 中心 | ストレングスモデルとの違い |
|---|---|---|
| ストレングスモデル | 問題・欠損でなく強みから支援を組み立てる。リカバリー志向 | — |
| ICFモデル | 健康状態・心身機能・活動・参加・環境因子・個人因子で障害を整理 | 強みの文章化を核にしない |
| 人間作業モデル(MOHO) | 意志・習慣化・遂行能力と環境 | 同上 |
| CMOP(カナダ作業遂行モデル) | 人・環境・作業の関係と作業遂行 | 同上 |
| 作業適応モデル | 人と環境の適応 | 同上 |
| 脆弱性-ストレスモデル | 個人の脆弱性とストレスの重なりで発症・再発を説明 | 病因の理解の枠組みで、強みのアセスメントではない |
| IPSモデル | 就労支援(援助付き雇用) | 就労に特化 |
| Empowerment approach | 当事者が力を取り戻す過程の支援 | 7領域の強みの確認という手順はストレングスモデル |
IPSも「ストレングスとリカバリー志向」を特徴にもつが、強みを7領域で文章化するアセスメントそのものはストレングスモデル。