PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第50回 理学療法士国家試験 午前 第9問

臨床医学第50回午前

第50回 理学療法士国家試験 午前 第9問(臨床医学)の正答は 1 です。頸髄損傷で、肘屈曲は抵抗に抗して可能(C5機能あり)だが手関節背屈は抗重力位を保てない(C6が不完全)状態です。

問題
25歳の女性。交通事故で頸椎脱臼骨折を受傷した。脊髄ショック期は脱したと考えられる。MMTで、肘屈曲は徒手抵抗に抗する運動が可能であったが、手関節背屈は抗重力位での保持が困難であった。肛門の随意的収縮は不能で、肛門周囲の感覚も脱失していた。目標とする動作で適切なのはどれか。
  1. 1. 起き上がり
  2. 2. 自動車運転
  3. 3. 側方移乗
  4. 4. 電動車椅子操作
  5. 5. トイレ移乗

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 起き上がり

頸髄損傷で、肘屈曲は抵抗に抗して可能(C5機能あり)だが手関節背屈は抗重力位を保てない(C6が不完全)状態です。肛門の随意収縮・肛門周囲感覚が脱失しており完全麻痺と判断され、残存レベルはC6相当です。C6完全四肢麻痺では、上肢の反動やループを利用して起き上がりが自立目標として現実的です。


【各選択肢の解説】

1. 起き上がり
✅ 正しい。C6レベルでは長橈側手根伸筋によるtenodesis(腱固定)作用とベッド柵・ループの利用で、起き上がりが自立目標となり得ます。本例の達成目標として最も適切です。
2. 自動車運転
❌ 誤り。手指の把握(C7〜C8)が必要な動作が多く、C6完全麻痺では改造車を用いても難易度が高く、第一目標とはなりません。
3. 側方移乗
❌ 誤り。プッシュアップによる側方移乗は上腕三頭筋(C7)が必要です。C6では肘伸展ができず、自立は困難です。
4. 電動車椅子操作
❌ 誤り。C6レベルでは上肢機能が残存しており、手動車椅子の駆動が可能です。電動車椅子はより高位(C4〜C5)の損傷で適応となります。
5. トイレ移乗
❌ 誤り。トイレへの移乗は上腕三頭筋による安定したプッシュアップを要し、C7以上の機能が必要です。C6完全麻痺では自立は難しい動作です。

【試験対策ポイント】

頸髄損傷の残存レベルと到達ADLは頻出。

レベル主な残存筋到達目標の目安
C5三角筋・上腕二頭筋食事(自助具)・電動車椅子
C6長橈側手根伸筋寝返り・起き上がり・手動車椅子・更衣一部
C7上腕三頭筋プッシュアップ・移乗・トイレ自立

プッシュアップ移乗=C7(上腕三頭筋)」が境界の鍵。C6は起き上がりまで、移乗自立はC7からと区別する。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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